第9話 ポロリもあります ページ9
三「Aさんって意外と式とかで寝たりするのな？」
『ん〜？今回はたまたまよ。三枝君居てくれて助かったわありがとねぇ。』
三「絶対たまたまではないと思うんやけど、役に立てて良かったわ。」
式の最中や行き帰りで話して慣れたのか、三枝君はやっと通常の音量で話してくれるようになった。
先生が来るまでに時間があったので教室に着いてからも楽しく話し続けていたが、私の後ろに視線をやると三枝君の表情が一瞬で固まる。
その数秒後、突然視界が真っ暗に。
どうやら目隠しをされているようだ。
「だーれだ。」
耳元で低い声がする。
吐息がかかりゾクッとして反射的に身震いが。
誰なのか考える余裕もなかったが、目の前にいるはずの三枝君が慌てふためいてくれたおかげで答えが分かった。
三「は、えっ、ふわっち！？なにしとんの？」
不「ちょい、アキナ〜」
『あ、不破君だったの！？』
不「せやでぇ。Aがアキナとばっか話しとるから迎え来た。」
三「待って、何もう名前呼びしてんの！？さ、流石に早くない？？？」
そう言って不破君の両肩を掴みグワングワン揺らす。
傍から見れば酔いかねない勢いだが当の本人はされるがまま余裕そうにヘラヘラと笑っている。
不「んぇ、名前で呼ぶのに早いとかなくないすかぁ？」
三「いやあるね。少なくとも今日はまだ早いって。」
『そしたら三枝君も名前呼びでいいよ？』
三「は、え、いいの！？いやでもなんか申し訳ないかも……」
『そう？じゃあ私も明那って呼ぼうか？』
何となくで私がそう口にした途端、不破君は焦ったような顔で勢いよくこちらを振り向いた。
そしてさっきまで自分がやられてたみたいに今度は私の肩をグッと掴む。
不「それだけはダメ。無理。却下。」
三「いや自分は名前呼びのくせにズルない？」
三枝君の正論をものともせず真剣な表情でこちらを見つめてくる。
出会った時からずっとふわふわしてた彼の初めて見た表情だった。
『分かったよ。とりあえず一旦肩から手離そうね？』
不「ん、ごめん。」
『でもなんでそんな名前呼びして欲しくなかったの？』
不「だってー……アキナにまでAのこと好きになられたら困るし。」
三「まで？」
不「……さ、そろそろ席戻るかぁ。」
三「おい、不破湊おい！！！」
逃走した不破湊を確保したが結局はぐらかされる。
名前呼びは“俺のこと湊って呼んでくれたら明那もええよ”と謎のお許しをもらい無事に解決した。
第10話 2人っきりとか有り得ないから→←第8話 視線の理由はまだ内緒
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1202人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
の〜さん（旧もこ）(プロフ) - 私2j3jの人達ほぼ全員推しなのと愛され＆逆ハー大好物なので嬉しいです！出来たら全員に恋愛的に愛されたいです。無理ならすみません。更新頑張ってください！楽しみにしてます！ (10月27日 17時) (
レス) @page5 id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
ゆいちゃん - めちゃくちゃ好みにドストライク！ (2023年4月17日 22時) (レス) @page30 id: 32372f6d00 (このIDを非表示/違反報告)
遥悠(プロフ) - あずずさん» ありがとうございます🙇♀️個人的に逆ハー展開が大好きなので強引にでも愛されにしちゃいました！笑 これからもよろしくお願いします〜 (2023年4月9日 16時) (レス) id: 89e59dcbef (このIDを非表示/違反報告)
あずず(プロフ) - 愛されってこれなんよな！ってなりました🤤これからの展開もめちゃくちゃ楽しみです💓😳更新楽しみにしてます🙌🙌 (2023年4月9日 14時) (レス) id: ac089d98bc (このIDを非表示/違反報告)
遥悠(プロフ) - 蜜柑缶詰さん» 初コメントありがとうございます🙇♀️これからもぜひよろしくお願いします！ (2023年4月9日 11時) (レス) id: 89e59dcbef (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：遥悠
| 作成日時：2023年4月1日 20時
