第21話 俺以外の跡、残さないで ページ21
保健室から逃げ出すこと数十メートル。
社先生に頼まれていた仕事を今更思い出したがもう遅い。
代わりに剣持にでも聞きに行ってもらおう。
それよりキスマークどうしよう、髪下ろしてるしバレない？
そんなことを考えながら上の空で廊下を歩く。
｢おーい、前見とらんと危ないやろ。どした、なんかあったん？｣
その声に引かれるよう視線を向けると、湊が不思議そうな顔をしてこちらを覗き込んでいた。
彼が近づいているのにも気づかないほどボーッとしていたみたいだ。
『あ……ごめん、ちょっと考え事してて。』
不｢んー？悩み事でもあるん……え、｣
何かを言いかけた彼が、視線を1点に集中させて完全にフリーズする。
ヤバい。
多分その視線の先には、
不｢……ねぇ、A。それ、なに？｣
『……っ！』
彼の長い指が、するりと私の首筋を撫でる。
怪しげに暗く光る瞳が、真っ直ぐに私の跡を捉えていた。
不｢これって傷とかじゃないよなぁ？もしかしてやけど、｣
“キスマってやつ？”
ほぼ音のない、吐息だけの声。
確信してる癖にあえて私の口から言わせようとしているのが最高に意地が悪い。
『その、これには色々と事情があって……』
不｢へぇ？キスマ付けられたってのは認めるん？Aって確か彼氏とかおらんかったよなぁ。｣
『い、居ないけど。』
不｢彼氏でもない男に、こんなん付けられたってこと？Aチャンって簡単にそういうことさせちゃうんや？｣
これまで頑なに呼び捨てだったのに、わざとらしく付けられる“ちゃん”が怖い。
ジリジリと後退するもついに壁にぶつかってしまった。
咄嗟に逃げようとしても、彼が両肘を私の顔横について超至近距離壁ドンをしてきたのでどうしようもない。
こんな時に限って、この広い廊下を誰も通らなかった。
『湊、違う！これはそういうんじゃなくて、』
不｢……なんや、全然余裕やん。俺はこんなに焦っとんのに。｣
肩をガッと掴まれる。
さっき白雪先生にされたよりもずっと強く、激しく、首筋を吸われた。
一生消えないんじゃないかと思うくらい、くっきりとした跡が残ってしまう。
不｢ん、ええやん。これで他の男を誑かしたり出来んくなったやろ。｣
『お願い、私の話を聞いてよ……』
目が合っているのに話の通じない湊が怖くて、つい白雪先生と健屋ちゃんの話をしてしまった。
このことがバレたら白雪先生に何されるか分からないということも一応伝え口封じもしておく。
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の〜さん（旧もこ）(プロフ) - 私2j3jの人達ほぼ全員推しなのと愛され＆逆ハー大好物なので嬉しいです！出来たら全員に恋愛的に愛されたいです。無理ならすみません。更新頑張ってください！楽しみにしてます！ (10月27日 17時) (
レス) @page5 id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
ゆいちゃん - めちゃくちゃ好みにドストライク！ (2023年4月17日 22時) (レス) @page30 id: 32372f6d00 (このIDを非表示/違反報告)
遥悠(プロフ) - あずずさん» ありがとうございます🙇♀️個人的に逆ハー展開が大好きなので強引にでも愛されにしちゃいました！笑 これからもよろしくお願いします〜 (2023年4月9日 16時) (レス) id: 89e59dcbef (このIDを非表示/違反報告)
あずず(プロフ) - 愛されってこれなんよな！ってなりました🤤これからの展開もめちゃくちゃ楽しみです💓😳更新楽しみにしてます🙌🙌 (2023年4月9日 14時) (レス) id: ac089d98bc (このIDを非表示/違反報告)
遥悠(プロフ) - 蜜柑缶詰さん» 初コメントありがとうございます🙇♀️これからもぜひよろしくお願いします！ (2023年4月9日 11時) (レス) id: 89e59dcbef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：遥悠
| 作成日時：2023年4月1日 20時
