【銀魂】恋する居候【土方十四郎】

女扱い ページ25

――――――


「――着いたぞ」



･･と、土方くんの声が夜の万事屋前に響き。



「･･･や、その、なんかありがと」


「なんで照れてんだ気持ち悪りィ」


「きも･･っ！？」



･･･酷いよね、うん超酷い。



「･････仕方ないじゃん、慣れてないし」


「あァ？何にだよ」


「･･女扱い？」



されたことないし、なんてぼやけば「････女だろ、一応」だとか。


(･･･やっぱり、女扱い･･。)






「･････そう思ってくれる人がいなかったわけだね私には」


「寂しい人生だな」


「土方くんに言われた･･！」



ショックーとふざけてみればみるみるうちに土方くんの機嫌は悪くなり。



「･･･アレだ、取り敢えず屯所には二度と来んな」


「土方くんが駄菓子買ってってくれたらね。私を珍しく女扱いしてくれる土方くんが来てくんないと、寂しいしねー」



･･勿論のこと私は、その言葉だっておふざけのつもりだった。いつも通り不機嫌な睨みが返ってくるんだろうと、思っていたんだけど。




「････････気が、向いたらな」



――予想外の、その返しに。･･･多分、その人なりの優しさに。




(･･あ、やっば･･･。)



動いた何かが、落ちた気がした。




＊


――――そしてその後、同じお江戸の2つの場所では。



「――ただいまー」


「あ、遅かったですねAさん」

「夜遊びかー」

「誰にとっつかまってたアルカ」



「まぁまぁ聞いて、3人とも。

――――――惚れちゃった、遂に」


「「「は？」」」







「――･･あれ土方さん、戻ってたんですか。アンタが女送ってくるたァ珍しいこともあるもんでィ」


「････うるせェよ、不可抗力だ」


「どーだか」






――――そんなやり取りが、行われていたのだとか。

わかってはいたけども→←不機嫌に不器用に

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す