【銀魂3z?】新婚さんにこんにちは【坂田銀八】

今とその先 ページ17

「――とにかくさ、本当何考えて、」
「悪りーか」


「･･････はい？」



「俺としては漸く惚れ込んだ女名実ともに自分のもんにできて、さっさと公表したかったんだよ。変にAがモテだしてもアレだしな」



「･･･でも、」
「こいつが俺の嫁さんですーっつってそこらじゅうで言って回りてーの我慢してもう数ヶ月だ。･･ま、嫌だったら謝ってやらァ」



銀八はいつものように強引だとかそんな感じではなくて。･･･こっちの調子も狂ってしまう。




「････････別にいい。」


「あ？」


「･･･本当に嫌だったらあのとき鞄かざしたまんま走って帰ったし」


「･････････笑えばいいのかソレ」



「――笑っといて」



なんだか笑っておけばどうにかなるような気がした。･･勿論本当にどうにかなるわけじゃないけど、気持ち的に。




「･･･あのさ、銀八」


「なんだ？」


「･･次は、家帰ろう」


「･････そーだな」



なんだかデートより今は、家で二人の時間を過ごしたかった。･･デートもいいんだけどね、でもやっぱり、完全な二人きりというのも落ち着いて好きなのだ、私は。





――――――多分、休みが明けたら学校では噂が広がっているんだろう。“和田ちゃんと坂田が結婚したらしい”とかそんな感じのが。


嬉しいかと聞かれたら嬉しいわけがない。でも嫌だということでもなくて、なんというか。




「･･･仕方ないから受け入れてあげる」


「あ？」


「･･こっちの話」



どうせいつかバレたんだ。それが今だったというだけで。――それより、今は。




恋人繋ぎでそいつと結ばれた右手を、小さく揺らした。なんだか凄く幸せを感じる。



「――――銀八ー、」


「なんだ？」


「･･明日も、よろしく」



限りなく続いていくだろう日々の先に、何があるかなんてのは見当もつかないけど。


通過点には生徒の冷かしがあって、常に銀八が隣にいて。･･今のところそれだけは理解できる。







――帰り道は薄暗く、民家の灯りが暖かかった。二人並んで歩く道は、同じところにつながっているのだろう。････今も、その先も。

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