【テニプリ】最強ガールが出会ったのは (ページ8)

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『僕が病院に来てるのは薬をもらいに来てるからなんだ』

「…クスリ？怪我じゃなかったのかい？」

『うん、精神が不安定になってね
一時期イップスにかかりテニスが出来ない事もあったよ
コートに立てば呼吸は乱れるし、体も震えた

それで大会は辞めて、帰ってきたんだよ』

過去に震えていた片手を見て、ゆっくりと話す

『体は元気なのに、テニスができなくて
辛かった
気持ちが着いて来なかったんだ…
今では普通に出来るけど、あの時の恐怖は今も忘れない

だけど、やっぱり続けたいからねテニス』

最後にはにこりと笑うと幸村君もつられて笑ってくれた

「そっか…でも、どうしてそんな…？」

『っ、…それは、君が手術に成功したら話そうかな』

そっかと彼が呟くと同時に看護師さんが呼びにやってきた

これから手術の準備へと入るらしい

『じゃあ、帰るよ。成功を祈ってる』

１人、先に出入口へと歩き始めた

「真宏っ！！！」

聞いたことのない、彼の大きな声に目を開き、振り向くと幸村君は笑っていた

「ははっ、真宏もそんな驚いた顔をするんだ

…ありがとう、みんなも今頑張ってる
俺も頑張らないとね」

そう言うと今度は幸村君が先に歩き出し、屋上から出ていった

『頑張らないと、か…』

先ほど見た試合を思い出し、頭の中で幸村君との試合を想像する

早く君と、試合がしたい───

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