【テニプリ】最強ガールが出会ったのは (ページ7)

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病室を訪ねると、そこには幸村君の姿はなかった

検査かなーと思って向かった屋上
そこには探していた彼の姿があった

『幸村君、屋上だったんだね
検査かと思ったよ』

フェンスに寄りかかり空を見上げる彼はより一層綺麗だ

「やあ、真宏。久しぶり
この間は楽しい話をありがとう」

『いや、こちらこそ
体調の方は大丈夫？少し風が出てきたけど…』

サァっと吹く風に前髪が揺れる
幸村君の藍色のウェーブもまた同じように揺れていた

「大丈夫だよ」

にこりと笑う彼は、あの時の様に儚げで今日は更に切なさを感じた

『…なんかあった？そんな顔してる』

「え？はは…参ったな、顔に出てたかい？」

眉を下げて頬をかく仕草は何度か見た事がある
だけど、今日はやはり何かが違って見てた

『…話、聞くぐらいいしか出来ないけど、聞くよ？』

「…これから、手術なんだ
それに決勝も今日でね、気になって」

決心したかの様に話す彼、初めて見る弱々しい笑顔
決勝とは先ほどの大会の事だろう

どちらが幸村君の学校だったのかな…
いや、それよりも今は手術の方が心配だ

『そっか、でも君が今戦ってるのは病気だ
試合も大事だけど、まずは体を万全にしないと
君が率いるチームなんだ、きっと勝てるさ』

気休め程度な言葉
そんなのわかっていても、口を開かずにはいられなかった

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