【テニプリ】最強ガールが出会ったのは (ページ43)

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「待ちなさいよ！！」

音楽準備室を出てすぐ、階段まで来た時に女子達がAを追って来た

『…まだ何か？』

めんどくさい、気だるい目を鋭くさせ振り向くと、先頭に立つ女子は顔を真っ赤にさせて震えていた

a「アンタ、生意気なのよっ…！」

言葉と同時に腕を振り上げ、その手はAの顔を目掛けてふってきた

だが、それを意図も簡単にひらりと避ける
スカッた弾みで女子はバランスを崩し、そのまま階段の方へと倒れ込んだ

a「きゃっ…！」

「「きゃーー！/危ないっ！！！！」」

思わず目を瞑る女子達、しかし落ちたであろう鈍い音はなかなかしなかった

a「な、んで…」

ギュッと目を閉じていた少女らは何が起きたのかと目を開くとそのまま大きく見開いた

Aは咄嗟に、階段を数歩下がり落ちる女子を受け止めて、お姫様抱っこ状態だった

『はぁ、アンタさ
1歩間違えたら大怪我だよ？』

細身とはいえ、毎日のトレーニングは欠かさない
足腰も鍛えてる為、人１人持ち上げるのは容易かった

そのままゆっくりと階段を降りて、女子を床へ降ろすと少女は目をパチくりさせている

a「なんで、助けたのよ…？」

『なんでって、そりゃ階段から落ちれば大事故だし、下手すりゃ死ぬ
もういいでしょ、ホラ行った行った』

ひらひらと手を振って、女子達を追い返す
もうこれ以上めんどくさいのは勘弁だ

『で、アンタはそこで何してんの？』

この場を1人見ていた者、Aはそれに気づいていた

コソッと物陰から出てきたのは赤也

赤「いや、ミーハーどもがここに向ったって聞いてよ…」

『それで来てみたらお姫様抱っこ、と』

赤「そうそう、ぷっ──」

先ほどの光景を思い出してか赤也は笑いを我慢できず吹き出した

『はぁ～あ、人生初のお姫様抱っこはやる方で終わったよ』

別にそんなシチュエーションに期待してた訳では無いが、なんとなく残念な気分

赤「アハハハっ！なんだそれ、なんなら俺がしてやろうか？」

『は！？』

赤「いやだから、俺が…」

突然の爆弾発言に思わず目を開いた
赤也も自分の言ったことに気づいたのか顔が赤くなってる

『…戻ろうか』

赤「お、おう…」

なんだか気まずい雰囲気で、テニスコートへと戻って行った

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