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初「来ませんね、志生さん」



学校も終わり、風紀委員の支部へと来ていた初春は用意した紅茶を飲みながら呟いた



白「昨日までは順調だったのですけど
やっぱり不良風紀委員は変わらないですわね」



書類に目を通してる白井も応答



最近じゃ人が変わった(と言ってもやっぱりどこかやる気はなさそう)みたいに仕事をしてたというのに



初「まぁでも今までがおかしかったんですから
こうしてる方があの人らしくていいじゃないですか」


呑気に紅茶を啜る初春に呆れる白井



白「初春、前々から思ってましたけどあなた
ちょっと先輩を甘やかしすぎではありませんの?」

初「え、そうですか?」



そうなのだ
仕事熱心な二人だが、Aの文句を言うのはいつだって白井ばかり

初春は文句を言ったことはなかった

先輩だから、高位能力者だからとかでもなく
それに彼女はAを慕っているようにも見えた



初「…なんで、ですかね
志生さんを見てるとなんだか頑張らなきゃって気持ちになるんです」

白「…それ、褒めてますの?」



これじゃあ反面教師と言ってるようなものである



初「ちっ違うんです!決して貶してるとかじゃなくて!
あの人いつもなにを考えてるかわからないじゃないですか!」

白「はぁ…」

初「時々思うんです
その顔が迷子のように不安そうに見えて
私たちよりも年上なのに、どうしてそんなふうに見えるんだろうって」

白「迷子…」



言われてみれば、と白井にも心当たりがあった


正面切って小言をぶつけてる時に、ふと
子供のように困って、悩んでるような不思議な顔


ただ困惑してるわけじゃなくて
それはそう…子供が表現力を探すような



初「私たち、あんまり志生さんの事って知らないじゃないですか
能力も、AIM拡散力場の感知ってだけで
趣味も好みも何もかも」

白「確かに…
先日もなぜご自分のバンクを見てたのかも聞きませんでしたしね」



どこか無表情で、飄々としてマイペース
やる気がある所なんて見たことも無い



やっと最近、風紀委員に打ち込んでいる所を見てもやっぱり何を考えてるのかよくわからない




白「来たら聞いてみましょうか、志生先輩のこと」

初「そうですね
気になる人の話も聞いてみたいですし!」



冥土帰しが風紀委員に入るよう勧めたのは
単に隠れ蓑に選んだわけじゃない



こうして、感情豊かな環境で
彼女に普通の学生らしさを覚えていってもらいたかったからだ

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弦一郎(プロフ) - りほさん» ありがとうございます^^原作が小説のものってなかなか難しいですが、楽しんでいただけたら幸いです。 (2019年8月25日 22時) (レス) id: eb78cccc43 (このIDを非表示/違反報告)
りほ(プロフ) - 相対性理論からきました!書き方が本当に好きですぅ…。 (2019年8月25日 21時) (レス) id: 020412926d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:弦一郎 | 作成日時:2019年8月25日 0時

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