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なんだか不思議な空間
白にグリーンが混ざり落ち着いた店内が共感覚を生みだし、香りがそれを煽る
安心するような、落ち着くような店内に
そんなものもわからないAはただ不思議な気分にさせられるのだ
「まずはこちらのご記入をお願いね」
『あ、はい…』
渡された用紙は、名前に年齢、能力名なんかの記入欄があった
『これは?』
まるでこれでは初めて来た病院みたいだ
「えぇ、私たちはアロマセラピーも医学と考えてるの
だから初めての方にどのような調合をするか考えるため記入してもらってるの」
『なるほど』
その場で香りの調合が売りらしい
受け取ったペンでするすると項目を埋めていく
学校名に能力値、能力者なら誰しもが埋められる項目だ
空白を残すことなく書き終えると、用紙をお姉さんに渡した
「AIMスティール、ね」
『あぁ珍しいらしいんだけど
そういうのでも大丈夫なんですか?』
「もちろん
こちらとしては調合しがいがあるわ」
なら、よかった。
それから用紙をもったお姉さんが裏へと消えてしばらく
ショップのような店内から、奥の施術室へと通される
その小さな個室はマッサージチェアのようなふかふかの椅子にオシャレな電灯がひとつの薄暗い部屋だった
誘導されるがままに腰掛けると、すぐにリクライニングが倒される
薄暗い空間に精油が放つ香りがふわふわと舞って
そのまま目を瞑るように促されると
しだいに、だんだんと、ゆっくりとAの意識が遠のいていったのだった
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弦一郎(プロフ) - りほさん» ありがとうございます^^原作が小説のものってなかなか難しいですが、楽しんでいただけたら幸いです。 (2019年8月25日 22時) (レス) id: eb78cccc43 (このIDを非表示/違反報告)
りほ(プロフ) - 相対性理論からきました!書き方が本当に好きですぅ…。 (2019年8月25日 21時) (レス) id: 020412926d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:弦一郎 | 作成日時:2019年8月25日 0時