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それから私は病院へと来ていた
冥「心臓が痛くなった?」
『うん、鼓動も早くなって、もしかしたら副作用なのかなって』
酷くドキドキとドクドクと騒がしくなった心臓に違和感があった
今までそんな事一度もない
だからこそこの正体不明の痛みが気になった
冥「ふむ、直前に能力の使用は?」
『特に何も
ただの感知は副作用なんてもの無いはずだし』
冥「そうだねぇ?
んじゃあ、その時起きた事を説明できるかね?」
『んー、風紀委員の仕事中トラブルが起きて
その時一方通行に会って…話して、そんでデコピンされて…そんとき胸が、ギュッてなった』
思い返しても意味がわからない
もしやあの指先に変な力でも働いてダメージをおったとか?
冥「うーん…これは特に副作用という訳では無さそうだねぇ」
『え、じゃあなんなのさ?』
頭痛とか悪寒くらいならまだ耐えられる
だけど心臓は、さすがにダメなんじゃない?
そのまま止まっちゃったら、死ぬわけだし…
死んだら私の知りたいことも知れないままだ
冥「それがもし、病気だとしても
僕にそれは治せない」
『
まさかこの人にも治せないものがあるなんて…
もしかしてこれは、前例が無いってやつ?
冥「それは多分、感情の変化のせいだ
君の脳はそれを忘れてしまっているけど、きっと体は覚えているんだねぇ?」
『は?何それ』
怒りも、怖いも悲しいも嬉しいすらもないってのに
一体わたしの体は何を覚えてるというんだ
冥「…もう一つ、これは可能性の話だがね」
『なに?』
冥「記憶をなくす前の君が知らない感情を、最近になって覚えたという可能性もある」
『…それってどんな感情?』
冥「好意、愛情ってやつだねぇ?」
………なんだ、そりゃ。
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弦一郎(プロフ) - りほさん» ありがとうございます^^原作が小説のものってなかなか難しいですが、楽しんでいただけたら幸いです。 (2019年8月25日 22時) (レス) id: eb78cccc43 (このIDを非表示/違反報告)
りほ(プロフ) - 相対性理論からきました!書き方が本当に好きですぅ…。 (2019年8月25日 21時) (レス) id: 020412926d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:弦一郎 | 作成日時:2019年8月25日 0時