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『やっほー初春ちゃん
今支部にいるかなー?』
座標移動で廃れた建物の内部に入って
身を隠しながら繋いだ電話は案外早くに繋がった
柔らかい声と、その後ろにギャーギャー騒ぐ白井の声…
あははっ、めっちゃ怒ってる。
さっきの件は片付いたみたい
そんなことより少しだけ彼女に頼みがあったんだ
『ねぇ初春ちゃん
ちょーっと調べて欲しいんだけどいい?』
初「え、はい。なんでしょう?」
彼女もまた優秀な風紀委員だ
能力じゃなく別分野で
調べ事とかコンピューターを触らせたら右に出るものはいない
初「……はぁ、わかりましたけど…
でも急にどうして?」
『理由は後で話す
とにかく何かわかったらメールで送ってくれ』
そう言って通話を切ると
またガラスの割れた窓から現状を覗いてみた
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白「志生さん、なんの用でしたの?」
初「はぁ…調べて欲しいとかで…」
ゴゴゴゴゴと黒いオーラを纏う白井を華麗にスルーしてパソコンへと向う
Aの調べ事と言うのは
最近、入院や怪我によって搬送、または治療を受けた無能力者について
初「んー…学生の病院の利用リストから能力者該当を外してと、あれ?」
白「どうかしましたの?」
初「無能力者の病院の利用率について調べたんですけどこれちょっと多くありません?」
画面に表示されたのは、学生の名前に怪我の具合の一覧のようなもの
どこかの病院から引っ張ってきたデータはここ最近と言えど余りにも多かった
しかもどれもが結構な重体。
いずれもまともそうな風貌ではないが、おかしな話
白「…またどこかのスキルアウトが抗争でもしたのではないですの?
そんなこと調べて、志生先輩って変なところありますわよね」
初「へんというより、変わってますよね
けどこんなこと調べてなにかあったんですかね〜?」
知りませんわ、とデスクに戻る白井を横目に見送り
初春はまたキーボードを叩く
普段、仕事という仕事をしてるのかもわからないAは
ときどきポーンと何かをする
そういうような人なのだ
掴みどころがない、ふわふわとした自由人
それが彼女だった
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弦一郎(プロフ) - りほさん» ありがとうございます^^原作が小説のものってなかなか難しいですが、楽しんでいただけたら幸いです。 (2019年8月25日 22時) (レス) id: eb78cccc43 (このIDを非表示/違反報告)
りほ(プロフ) - 相対性理論からきました!書き方が本当に好きですぅ…。 (2019年8月25日 21時) (レス) id: 020412926d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:弦一郎 | 作成日時:2019年8月25日 0時