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白「志生先輩、あなたはどうして風紀委員になろうと思ったのですか?」
『…』
真っ直ぐな後輩の目
初春ちゃんも首を傾げてみている
困ったな
この手の話はどうもやりずらい。
残念ながら、私は白井や初春ちゃんのように
目標や信念を持ってここに志願したわけじゃない
あの医者のすすめでこうして風紀委員に入ったわけだけど
『確かに私は、二人に比べればお粗末な風紀委員だな
志願理由もよく覚えちゃいない』
白「覚えてないというのはどういう意味ですの?」
『人に進められて志願したんだ
それでだらだら続けてたし、いつ引退してもいっかな〜とか考えてたんだけどね〜』
白井みたいに有り余る正義感も
初春ちゃんみたいに、誰かの役に立ちたいとかも
そういう綺麗なの私には到底ない
最近は、自分の為に何かをしたいって思うんだ
ずっとほっぽったままの欠落を取り戻したい
なんでかはよくわからないけど
ただ、彼に会ってから
自分というのがなんなのか知りたくなった
しっかりと右につけられた盾の印の腕章をそっとなぞる
白井が、あの子が言う感情を
知ってみたくて
『…まぁなんというか
自分探しと経験の為、とでも言っておこうかな?』
白「はぁ?なんですのそれ!」
初「確かに、風紀委員で得た経験は普段とは真似できないものがありますよね!」
私は2人には到底及ばない風紀委員だ
治安維持とか正義の為なんかに必死になれない
自分の為にやってるってだけ
それが今、風紀委員を続ける私の理由なんだと思った
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弦一郎(プロフ) - りほさん» ありがとうございます^^原作が小説のものってなかなか難しいですが、楽しんでいただけたら幸いです。 (2019年8月25日 22時) (レス) id: eb78cccc43 (このIDを非表示/違反報告)
りほ(プロフ) - 相対性理論からきました!書き方が本当に好きですぅ…。 (2019年8月25日 21時) (レス) id: 020412926d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:弦一郎 | 作成日時:2019年8月25日 0時