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不格好な足音を止めて携帯をいじると
コールひとつで電話の相手はすぐに出てきた
海「どうかしましたか?」
一「オメェにひとつ聞きてェことがある」
結局あのまま何もわからず
暇つぶしも終わりAと別れた彼は
ふと、喉につまった新たな小骨を確認するために携帯を手に取った
海「お答えできる範囲でしたら、どうぞ」
一「スキルアウトを使って獲物の捕獲
お前が絡ンでンのか?」
以前にも前例はあった
スキルアウトを使い一人の女性を殺害するというもの
結局それはあっさりと破綻で終わったが
どうも糸を引いたのは海原
そして何より、Aが入院しているというのは極少人数しか知らないことだった
あの日彼女を病院に運んだ事まで把握していたのなら
入院のことを知っていてもおかしくはない。
海「残念ながら、グループはその案件に携わってはいません」
一「ハッ!グループは、ねぇ」
海「えぇ」
こいつが裏で何をしてンのかはわからねェ
もともと暗部の人間なンてのはみンなそうだ
土御門や結標だって何を考えてンだか。
信用もしてねェ
ただ利害が一致する限り行動を共にする
足を引っ張れば無条件に切り離す…
海「話は以上でしょうか?」
一「あァ。」
切った携帯をポケットに戻す
確実にアイツを狙ってるのは裏の人間だ
学園都市の暗闇で偽りの正義をかざしてるってのに
表の真っ当な正義の人間を狩りとろうとしてるなンて
アホらしいにも程がある
“ 『君ってさ、いい人だね
なんだかんだ付き合ってくれて』
「はァ?悪党の俺がイイ人なわきゃねェだろ」
『そ。んじゃあ、良い悪党だ』”
同じ守るにはかわらねェのに
ただ、別れ際アイツの言ったイイ悪党ってのは
なンか、良いなと思った。
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弦一郎(プロフ) - りほさん» ありがとうございます^^原作が小説のものってなかなか難しいですが、楽しんでいただけたら幸いです。 (2019年8月25日 22時) (レス) id: eb78cccc43 (このIDを非表示/違反報告)
りほ(プロフ) - 相対性理論からきました!書き方が本当に好きですぅ…。 (2019年8月25日 21時) (レス) id: 020412926d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:弦一郎 | 作成日時:2019年8月25日 0時