【とある】感情倫理

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一「……なンだよ、説教かァ」




電話越しにウザってェ程のあの爽やかな顔が思い浮かぶ

海原の声はいつもそう


淡々とめんどくせェ言葉を並べやがる





海「えぇ、外部との接触は避けていただきたいと」

一「避けてンだろうが」




たく、サービス残業で疲れてンのに
わざわざそンな事の為に電話寄越してきやがって

グループとやらは暇人ばっかか





一「言っとくがさっきのはあの女が接触してきたンだ
それに俺は口封じをしただけだよ」

海「…そうですか
そう言われてしまうと、こちらは何も言えません」





自由がねェのはわかってたことだが
いちいち干渉されちゃあやってらンねェなァ。



どこで仕入れたのか知らねェが、風紀委員の女の事はバレてやがる




海「まぁいいでしょう
あなたはすみやかに戻ってきてください」

一「あァ、わかってる」




切れた電話
帰るのは用意された部屋


アイツを病院に届けたせいで時間はだいぶ遅くなった


倒れた原因なンか知らねェ
そンなのはあの医者が調べンのが仕事だ





一「どこだったかなァ…」





俺が知りたいのはアイツの体調ではなく

喉につっかかったこの感じ


あのグレーの髪と真っ黒な虚ろげな目




確かにどっかであの女を見た覚えがあった

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