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『………ここは…』



目を覚ますと、寮とは違う天井

硬い、狭苦しいベッドに
控えめに聞こえる足音




『…やぁ、センセー…久しぶりだねぇ。』

「うん
僕の顔を覚えてるということは精神の方のダメージはないようだねぇ?」




顔を覗かせたカエルにも似た顔は
長年の付き合いの医者だ

前にあったのは…2ヶ月くらい前だったか。




「能力の使いすぎでもしたのかい?
それとも記憶でも読み漁ったとか」

『能力
ちょっと久しぶりに仕事したもんだから』

「ふむ
まぁまたしばらく入院してもらうよ」




…あぁ、マジか。


また入院すんのか。



この分だと、また白井に不良呼ばわりされるな



まぁでも
これであのふざけたゲームは終わるわけだし




『そういえば
私をここに運んでくれたのって』

「一方通行かい?
また凄い組み合わせで驚いたもんだよ」




…意外だった
あのまま放置されてもよさそうなのに




『いい人、だね
第一位の話なんて噂程度にしか知らなかったけど』



無能力者の敵討ちとか

風紀委員の建前をちゃんと守ってくれて
最後まで感情任せに手を出さなかったし

こうして私を病院にも運んでくれた




『センセー、あの人ってなんであんなことしてるのかな。』

「…それは僕の口からは説明し難い
けどまぁ昔の君とあまり変わらない子だとは思うけどねぇ?」

『昔、ね』




そんな事言われてもなんの想像もつかない



だって私は
記憶というものがぐしゃぐしゃシェイクの
混沌して穴あき状態なんだ




何があったとか、感情の感覚とか、ものは様々だけど



自分がいつ能力を開花させたとか
どこで、どんな環境で何があったか



思い出そうとしてもぼやぼやするだけ




ただ一つだけハッキリと言えることは




風紀委員の入隊は
この冥土帰しが、強く勧めてくれたということだけ

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弦一郎(プロフ) - りほさん» ありがとうございます^^原作が小説のものってなかなか難しいですが、楽しんでいただけたら幸いです。 (2019年8月25日 22時) (レス) id: eb78cccc43 (このIDを非表示/違反報告)
りほ(プロフ) - 相対性理論からきました!書き方が本当に好きですぅ…。 (2019年8月25日 21時) (レス) id: 020412926d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:弦一郎 | 作成日時:2019年8月25日 0時

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