検索窓
今日:7 hit、昨日:8 hit、合計:56,326 hit

211 ページ39

.






相変わらず広い敷地
けど2回目ともなれば、なんかもう慣れた

噴水や薔薇園があったり
人工的な湖にマーライオン

それらを見ても驚かない気にしたら負け



とりあえず仁王先輩は日陰になってる所から探した方がいいと(経験上)思って歩く

既にそう言う所はいくつか調査済だ

昨日迷ったからな





「───〜〜〜…、」



と、一つ一つ探して歩いていると遠目から話し声が聞こえた

確かこの奥にも日陰があったと近寄って見ると
どうやら気配は1人だけではなかった




この声…





仁「お前さん、聞いたんじゃろ?
赤也がAと付き合っとるって」

南「A…クスッ、真宏くんですね
ええ、聞きましたけどそれが何か?」

仁「何かって、ちーとベタベタし過ぎなんじゃなか?」



物陰に隠れて、そっと二人の会話を盗み聞く
声色は穏やかではない

先輩のイラついた気持ちが手に取ってわかるようだった




南「そうですか?
けど、別に悪い事ではないですよね」

仁「付き合っとるヤツが居るって聞いたら
普通は控えたりると思うんじゃがのう」

南「あははっ、意外と真面目なんですねペテン師さんって
彼女がいるからって関係ないですよ?


だって、気づいたら好きになってた、でしょう?」




くすくすと聞こえる声にゾッとする
え、待って

南ちゃんのあんな笑い方初めて見た


普段はふわふわとした思わずつられてしまうような柔らかい笑顔

それなのに今は、1歩だけ下げた右足は音は立たなくて自分がここに居るのを知らせることはなかった



仁「諦めるとか相手の幸せを願うとか考えてやれんのか?」

南「そんな事するわけないじゃないですか!
あんな不器用さん相手に…アレならきっと簡単に奪えますよ?

それに人の恋人を奪うって最高に燃えません?」

仁「…」




離れててもわかる恐怖
誰だアレ、あれが青学マネージャー佐藤 南…?


いやそれより、奪うって、赤也を?


ぎゅうううっと握ったこぶし
切ったはずの爪が、掌に刺さる


仁「はぁ、本性はそんなやつだったんじゃのう」

南「クスッ、違いますこれも“私”なんですよ
けど、私だって初恋は諦めたくありませんので♡」



初恋と聞いて、スッキリさせたはずの胸が痛む

同じ人を好きになるなんてどうしたらいいかまたわからない


けどそれよりも、今はこっちの痛みの方がどうしたらいいのかわからない




どうしよう、私

赤也と別れる事が、
南ちゃんのあの笑顔が、怖い───…







_

212→←210



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.0/10 (24 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
104人がお気に入り
設定タグ:テニスの王子様 , 立海
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

yue.(プロフ) - 藍さん» ありがとうございます!全然気づきませんでした!w (2016年12月27日 0時) (レス) id: 327fda9cd8 (このIDを非表示/違反報告)
- 4の方最強ガールじゃ無くて最近ガールになってますよー (2016年12月27日 0時) (レス) id: b5991fbf2b (このIDを非表示/違反報告)
SAKUYA(プロフ) - 笑笑ありがとうございます (2016年12月12日 17時) (レス) id: c017e395ea (このIDを非表示/違反報告)
yue.(プロフ) - SAKUYAさん» 昨日、同じかなぁ…と思いました!作品と作者名は結構覚えてるので!固定了解しました!しっかり覚えておきますね! (2016年12月12日 17時) (レス) id: 327fda9cd8 (このIDを非表示/違反報告)
SAKUYA(プロフ) - そうなんですか!!有難うございます!!あと、ゆえさんの作品によくコメントさせていただいてるんですけど、仁王サクヤとjokerって私なんですよ、笑。名前変え過ぎで…もう変えませんけどね!! (2016年12月12日 17時) (レス) id: c017e395ea (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ゆえ | 作成日時:2016年11月23日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。