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呆然と立ち尽くす
どうしたらいいか、わからない
頭に残るのは、南のふんわりとした照れ笑いと
“赤也くんの事、好きなんだよね…///”
自分の鈍感さは病的かもしれない
質問の意味もやっと理解した。
ふと、落としていた視線をあげると
その先には幸せそうに笑う南と赤也が目に入った
ふわふわとする感覚
これは履きなれないヒールのせいか
なんて考えるけど、ふわふわするのは脳だ
なんとも言えない胸が絞まる感覚
これ以上、2人を見てられない
細長いワイングラスを手に取って、窓が開かれたテラスへとそっと消えてった
今は、視界がない暗い所へ行きたい…
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会場へと繋がるテラスは
月明かりだけがさしていて
それを避ける様に身を潜める仁王が縁に座っていた
仁「お?パーティー混ざらんのか?」
『この格好でいるの、落ち着かないんですよ』
グラスに写った私は、普段男と間違えられる私とはまるで別人
こんな姿、誰も男だと間違えるやつは居ないだろう
そう言いながら、同じ様にAも枠へと腰掛ける
仁「似合っとるよ」
『まさか、こんなの…スーツの方がまだいいですよ』
仁「お世辞は言わんたちナリ」
『……』
仁「それにここは暗いき、ポーカーフェイスはやめんしゃい」
『……』
何も言えない
いくら綺麗な格好をしていても
気持が晴れない
普通の女の子ならこういう時どうすればいいの?
仁「…さっきの話、聞いとったぜよ」
『え…?』
持っていたグラスからやっと視線をずらすも暗がって仁王の表情の見えなかった
『まじすか…』
仁「すまんの、飲み物取りに言ったら聞こえた」
『はぁ、…先生とは秘密事ご多すぎますよ』
仁「ククッ、詐欺師は相手の隙をつくもんなんじゃよ」
クツクツと笑う先輩
内緒だよなんて言われてもう誰かにバレた
申し訳ない、けど、少しだけ気持が軽くなったような気もした。
仁「じゃが、おまんのポーカーフェイスは強すぎじゃ」
『…これもテニスには必要なスキルですから』
そっと唇に触れると、紅いナニカがついて
ベタベタする
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yue.(プロフ) - 藍さん» ありがとうございます!全然気づきませんでした!w (2016年12月27日 0時) (レス) id: 327fda9cd8 (このIDを非表示/違反報告)
藍 - 4の方最強ガールじゃ無くて最近ガールになってますよー (2016年12月27日 0時) (レス) id: b5991fbf2b (このIDを非表示/違反報告)
SAKUYA(プロフ) - 笑笑ありがとうございます (2016年12月12日 17時) (レス) id: c017e395ea (このIDを非表示/違反報告)
yue.(プロフ) - SAKUYAさん» 昨日、同じかなぁ…と思いました!作品と作者名は結構覚えてるので!固定了解しました!しっかり覚えておきますね! (2016年12月12日 17時) (レス) id: 327fda9cd8 (このIDを非表示/違反報告)
SAKUYA(プロフ) - そうなんですか!!有難うございます!!あと、ゆえさんの作品によくコメントさせていただいてるんですけど、仁王サクヤとjokerって私なんですよ、笑。名前変え過ぎで…もう変えませんけどね!! (2016年12月12日 17時) (レス) id: c017e395ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆえ | 作成日時:2016年11月23日 15時