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北「アカンやん、ちゃんと飯食わんと」
『勉強してると糖分欲しなんねんなぁ
ついつまみ食いしてもうて実はあんまりお腹空いてへんの』
北「なんやそれ?」
『シガレット菓子、食べる?』
カバンから出した駄菓子をひとつ、北くんに分けると彼はまじまじとそれを見るとふっと小さく笑った
北「懐かしいな、ガキの頃よう食べたわ」
私はその逆
子供の頃よくある駄菓子やスナック菓子は食べさせてもらえなかった
そこはさすが医者のお家だ
その反動で今はお菓子大好き駄菓子最高
美しい所作で食事を終えた北くんは、ご馳走様と行儀よく両手を合わせたあと、ありがとうと言って棒状のラムネ菓子を口に咥えた
『ふふっ 北くんシガレット菓子似合わんな』
北「? 菓子に似合う似合わへんないやろ」
『そうなんやけど』
その姿に笑ってしまうのはしゃーない
だって絵に書いたような優等生な彼が咥えてるそれは煙草をモチーフにしたお菓子
なんだ、私
案外普通にイケんじゃん。
緊張して上手く話せないんじゃないかとか考えたけどそんなこたぁない
いつも通り、そう思えばホラ
優等生君と不良ちゃん
アベコベなコンビの出来上がり
北「なあ、A」
『んー?』
もうあの頃の私とは違うのだ
そして北くんもそう
彼は彼らしく、変わらずな日々を過ごしてる
私はそこからあっけなく落っこちてしまったけれど。
北「………あの時の返事、聞かせてくれへんか?」
『え?』
·
·
さっきまで視線を奪っていた茶色いお弁当はもう無くて
懐かしむような駄菓子を北くんは見ていなくて
真っ直ぐ私にだけ視線がそそがれた
瞬間、私の髪は黒色へと戻っていったような気がした
短くなったスカートもうなじをくすぐる襟足も
いつぞやのように長く鬱陶しいものに早変わりしたような、そんな錯覚に
不意に、ビハインドの店長の言葉を思い出した
「 人ってのは時に大きく道を踏み外したとき
改めて自分も、周りのことも客観視できることがあんねん 」
って。
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弦一郎(プロフ) - 「」さん» 愚痴だなんて思っていませんよ、ストレス発散かのような悪質な書き込みがあるのも事実ですので…。今回の投稿は作者側読者側と改めてマナーについて確認できるキッカケになればいいなと思っています。お気遣いありがとうございました! (2023年2月5日 2時) (レス) @page12 id: d09e564693 (このIDを非表示/違反報告)
「」 - 出されて叩かれたり、それが原因で筆を折った方も居ます。愚痴みたいになってしまいすみません。改めて返信と丁寧なご説明ありがとうございました。陰ながら応援しています。 (2023年2月4日 16時) (レス) id: 43b16fe887 (このIDを非表示/違反報告)
「」 - 返信ありがとうございます。晒すというキツイ言葉を使ってしまい申し訳ありません。しかし、夢界隈のマナーとしてはやはり晒しの部類になってしまいます。実際にあの投稿を見て他の方が作品名を出してもいいものだと思い込んでしまう事もあり、別のサイトで悪質に名前を (2023年2月4日 16時) (レス) @page12 id: 43b16fe887 (このIDを非表示/違反報告)
弦一郎(プロフ) - 「」さん» エゴサしたところ1件引っかかったので確認しました、それについて作品の方で述べさせていただこうかと思います、ご連絡ありがとうございました! (2023年2月3日 22時) (レス) id: d09e564693 (このIDを非表示/違反報告)
「」 - コメント失礼します。ヤフー知恵袋にてこちらの作品が晒されていました。注意と削除のお願いをしたところ、回答が消されてしまい聞く耳持たずでした。作者様がもしかしたら別の場所で更に晒されている可能性があると思い、ご連絡させて頂きました。 (2023年2月1日 18時) (レス) id: 43b16fe887 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:弦一郎 | 作成日時:2022年12月10日 23時