隣人事変 III【角名倫太郎】

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学食ー…行けなかったな


なんて思いながら人通りの少ない中庭の木陰でぼーっとしてると倫太郎が帰ってきた



『ありがと私の分も買ってきてくれて』

角「いいよ、それよりどう？
顔色はだいぶ良くなったみたいだけど」

『保健室の正しい使い方したかんね』



保健室に戻ったら顔が真っ青だと久しぶりにベッドで横になった



今まで真面目に登校してなかったけどさっきのようになったのは実の所初めてではない。


2度目の2年生を迎えた初日
教室に行こうとした瞬間にあの空間に行くのがどうしようもなく怖くなったことがある。


もちろん留年を笑われるのが怖いとか、新2年が怖いとかそんなんではなく



自分を貶す言葉が浮かんで、過呼吸まで起こした

所詮は全て私の妄想だとも気付かずに。




『もうちっといい線行くと思ったんだけどなあ』




倫太郎が買ってきてくれたサンドイッチをひと口かじる

学食のサンドも久しぶり

ハムとチーズにマヨが絶妙で、あとはピリ辛さがあったら最高なんだけどな




角「…ムリさせたよね、ごめん」

『倫太郎のせいじゃないよ！
それにツム太郎いたから大分気が楽だったし』



ああはなったけど多分あの子がいなかったらもっと弱ってたと思う

…まあ、実際は自称ファンもいるらしい彼のせいで注目されて余計に緊張もしたのですが




角「…そこ、侑じゃなくて俺って言って欲しいんだけど」

『もちろん！
倫太郎のお陰で復活できたよ！
りんたろ様々！さすがメシア！』




なに今のかわいい
唇とんがらせちゃって




『(なんか私倫太郎なしじゃ生きていけないみたいだ…)』




なんてしみじみ思ったり


バイトも倫太郎がお帰りって言ってくれるようになってから働きがいを感じてる



家でもここでも倫太郎はそれだけ私にとって大きな存在だ

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