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『りんたろ…』

角「驚いた
侑が見かけない女子と居るって女子が騒いでたからなんだと思っ…A?」

侑「ぅえっ!?」



衝動的に掴まれた腕をそのまま伝って倫太郎の胸に飛び込んだ


一瞬ザワっと騒がしくなったのもまともに耳に入ってなくて


怖い。


どうにかこの視線から逃れたくて咄嗟に倫太郎に隠れた



角「A、どうしたの?」

『ごめ…これ返、しに……』



声が、肩が、震える



侑「あー…あんな、メリーちゃんノート返しにきたんやって
せやけどなんや顔色悪くて、教室に入るのも…その、怖い言うてて」

角「…ほんと?」




頭上からそんな会話に、小さく頷く


頭の隅では何やってんだとか、ツムにまで気を使わせてとか思ってる


それがまた自分の首を絞めて


ああ…声が、頭の中で響いてる



鮮明に、ダメなヤツお前は失敗作、産まれて来なきゃよかったとリフレイン



誰にも勝てない

何やったって中途半端

一番になんて死んだって無理



あの人が望む良い子になんてなれなくて

途端に視線が、言葉全てが、私を底に追いやるの。



早く、どうにか…そんな言葉をどうにか消し去りたい


手からノートが抜き取られて、背中に倫太郎の手が回りぽんぽんとリズミカルな音を立てる




角「侑、これ俺の机入れといて」

侑「お、おん」

角「A、わざわざありがと
よく頑張ったね、保健室一緒に戻ろ?」




聞きなれた倫太郎の声に止まりかけた呼吸が息を吹き返す


緊張が解けるみたいに和らいで、力の入っていた肩が不意に軽くなった



頭の中を巡っていた呪いの言葉は綺麗なものへと変わっていく



やっぱ倫太郎って洗浄機

魔法使いじゃなくて救世主



倫太郎に手を引かれて2年のフロアを降りて、2人になると倫太郎は腰を屈めて顔を覗き込んできた




角「Aって、結構大胆?
人が見てるところで抱きついてくるなんてさ」

『うっ!ほんとごめん、パニクってて
何か聞かれたら痴漢にあったって言っといて』

角「その方がまずいじゃん」



気付けばすっかり落ち着いて、標準語にも戻っていた


心がすごく、安定してる証拠だった

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弦一郎(プロフ) - 「」さん» 愚痴だなんて思っていませんよ、ストレス発散かのような悪質な書き込みがあるのも事実ですので…。今回の投稿は作者側読者側と改めてマナーについて確認できるキッカケになればいいなと思っています。お気遣いありがとうございました! (2023年2月5日 2時) (レス) @page12 id: d09e564693 (このIDを非表示/違反報告)
「」 - 出されて叩かれたり、それが原因で筆を折った方も居ます。愚痴みたいになってしまいすみません。改めて返信と丁寧なご説明ありがとうございました。陰ながら応援しています。 (2023年2月4日 16時) (レス) id: 43b16fe887 (このIDを非表示/違反報告)
「」 - 返信ありがとうございます。晒すというキツイ言葉を使ってしまい申し訳ありません。しかし、夢界隈のマナーとしてはやはり晒しの部類になってしまいます。実際にあの投稿を見て他の方が作品名を出してもいいものだと思い込んでしまう事もあり、別のサイトで悪質に名前を (2023年2月4日 16時) (レス) @page12 id: 43b16fe887 (このIDを非表示/違反報告)
弦一郎(プロフ) - 「」さん» エゴサしたところ1件引っかかったので確認しました、それについて作品の方で述べさせていただこうかと思います、ご連絡ありがとうございました! (2023年2月3日 22時) (レス) id: d09e564693 (このIDを非表示/違反報告)
「」 - コメント失礼します。ヤフー知恵袋にてこちらの作品が晒されていました。注意と削除のお願いをしたところ、回答が消されてしまい聞く耳持たずでした。作者様がもしかしたら別の場所で更に晒されている可能性があると思い、ご連絡させて頂きました。 (2023年2月1日 18時) (レス) id: 43b16fe887 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:弦一郎 | 作成日時:2022年12月10日 23時

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