【ハイキュー】能のないバケモノは爪を隠せず３

116 ページ26

▼side 治



赤提灯に当てられて頬が染まるえっちゃん



クリーム色に手毬柄と、紺色に金魚の柄

2人して学校とはえらい違いようではしゃいどる



『えっちゃん何色がいい？』

悦「水色」



ヨーヨー釣りをするらしい



市庭がえっちゃんにそう聞くと
彼女は水色を狙い出す



ぶち、ポチャッ…




『あ、』

悦「下手やんなあ」




残念ながらヨーヨーは取れずもう一度とムキになる市庭


侑と喧嘩した日…いや、合宿出る前に見たきりの笑った顔




治「お前、市庭になにしたん？」

侑「は？」



隣でかき氷を食う片割れ



治「あの喧嘩や
明らかに市庭怒ってたやろ？」

侑「知らん言うたやん
俺が聞きたいくらいやンなの…」

治「ふーん」



今日祭りに一緒に行く言うたんは俺



えっちゃんから聞いて、あ、ええな。って
お陰でえっちゃんの浴衣姿見れたし
けどあの二人近すぎん？
女子同士やから別にええけど、市庭と腕組んでるやん



侑「おい、サム」

治「なんや、ツム」



ぼーっとしとったら侑が2人の方を指さす

市庭がこっちと手招いて、俺か？とすると頷いた




『治、すまん取ってくれへん？
うちじゃダメやった』



コソッと耳打ち
まさかこいつが諦める言うことを知っとるとは…

市庭と場所を代わりえっちゃんの隣にしゃがむ



治「水色やっけ？」

悦「へっ？う、うん…これ、かわええなって」

治「よっしゃ」



えっちゃんとはよう気が合う気ぃする
食い物とか詳しいし、料理うまいし
わろとると癒される…。




『……な、侑』

侑「あ？」




俺らの後ろでコソコソと、市庭が侑の腕引いてそっと離れていたなんて気づくこともなく



俺は水色のヨーヨーを追っていた。

117→←115

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す