【ハイキュー】能のないバケモノは爪を隠せず

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ぼーっと、いったり来たりするボールを眺める


4限目の体育、一週間の時間割の中でいっちゃん嫌いや


空腹に更なるダメージ



『(今日の弁当、おかずなんやろ)』



既に意識は謎に包まれた弁当箱へ

見上げた天井にはバレーボールが挟まっとる



『(あ、ゆで卵とかええな)』



塩ふりかけてんの、マヨでも嬉しい。



「次ー！A班とC班！」

『(ああ、呼ばれた)』



そろそろお腹がなりそうなところ間一髪
私、C班や




体育は2組と合同でバレーボール

男子は向こうで仕切りネット挟んでバスケ



女子は先生に注意されん程度に向こう側にくびったけ

そらそうやん？学年でごっつイケメンの双子の兄弟がおるんやから


そんなわけで、どんな珍プレーをしでかしても恥ずかしくない。




チームの子と色々話してポディションを決める

あら、サーブうちからや



「Aー！本気で来ぃや！」

『しゃこらハイパーでダイナミックなの見したる』



ブンブンと意気揚々と腕をぶん回すけどそんなデラックスなサーブを打つわきゃない


所詮は体育のバレー
ほとんどの子が初心者で、ボールもたまに上がれば良い方



『きんちゃん入ってきいや
うちがそのまま打たしたるよー』



くじ引きでセッターに選ばれた私は


授業で教わったフォームで不格好にスパイクモーションで入ってきた子にトスを上げた



「わっ！ほんとに打てちゃった！！」

『ないすきー』



うん、楽しええな。




ひとり静かに拍手を送る


スパイクを決めたきんちゃんは周りの子とハイタッチ



「ありがとうな！A」

『言うたやろ？打たしたるって』



この瞬間、ほんま気持ちええ。



可愛らしい笑顔で嬉しそうにする彼女に満足しつつほな次ーと思い振り向くと




「はァァァァ！！？」



野太い怒声が聞こえてきたのであった



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