検索窓
今日:42 hit、昨日:1 hit、合計:116,312 hit

41 ページ41

頭を撫でる倫太郎の手は、まるで魔法の手


吐き出したいこと聞いてくれるなんて男前


いつまでもガキやってる私より何倍も大きくて大人だ




『うん…まあ、私っていわゆる落ちこぼれってやつでして』

角「うん」

『勉強も運動も結構頑張ってきてんけど、あかんで』

角「うん」




思い出すと、震える
悔しくて虚しくて、そんでもって自分はやっぱりダメなヤツだって。




『私ん家、結構な立派な家系なんやけどそんなんやさかい認めてもらえんでずっと言われ続けとった、自分は失敗作や、恥さらしだって…』

角「うん」

『弟がひとりいるんやけど、あの子は私より優秀で何やっても一番って出来が良かってん
そやかてなんとかやれる事はやっとったんやけど、なんかね突然プツンってキレちゃって…』



ある日ほんとうに、プツッて糸が切れたみたいに



弟にすら及ばない、私はただただ失敗作

御厨家の恥さらし



そう言われ続けて何年だっけ?

何年でもいいか、ただ間違いなく少しずつ重圧となり首を絞めていたのは確かだった



それでもいつか、なんて思って
勉強も人より努力はしたと思う、習い事だったバレエもピアノも…


けどね?ある日、聞いちゃったんだ



『父親がさ、母親に「そやさかい女とわかった時堕ろせばよかってん」って言うとって…』




その日私は、失敗作でも恥晒しでもない、ただの要らないものに成り下がった




『……そっからだねー
頑張ることをやめて、パァになろーってはっちゃけて
けど完全になりきれてなくて、だから未だに教室には行けない』




ほんと情けない話しよ。


あの空間にいると言葉がリフレインして息が苦しくなる

自分は失敗作、いらない子、生まれてこなきゃよかった子、ってさ。




傷をつけた腕を抑えた
うずうずとする感覚、こういう時無性にやりたい


重低音の影に泣き声を隠して、ごめんなさいが口から漏れそうになるの。



痛みで壊れそうを押さえて
傷のついた私がやっと自分を慰める


頑張ったね、よくやったよって独りよがり。


ね?ほら、私ってさ雑巾でしょ?

42→←40



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (76 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
263人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

弦一郎(プロフ) - 鷹鷹さん» ありがとうございます!頑張ります〜!! (2021年2月14日 16時) (レス) id: eb78cccc43 (このIDを非表示/違反報告)
鷹鷹(プロフ) - メッッッッッッッチャッ好きです…更新頑張って下さい! (2021年2月14日 1時) (レス) id: a315003b9c (このIDを非表示/違反報告)
弦一郎(プロフ) - Nagitoさん» ありがとうございます!これからも更新頑張りますヾ(*‘ω‘ )ノ (2021年2月12日 15時) (レス) id: eb78cccc43 (このIDを非表示/違反報告)
Nagito(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです、これからの展開楽しみに待ってます! (2021年2月12日 9時) (レス) id: 27cb39652f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:弦一郎 | 作成日時:2021年2月6日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。