隣人事変【角名倫太郎】

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はてな、今何時だろ



もそもそと動いてさっきよりもだいぶ楽になった体で上半身だけあげるとテーブルの奥に大きなキツネ



『角名くんじゃん…』



そういえばゲロッピーになってる時彼が来て、色々と世話をしてくれていた気がしなくもない




角「…んっ、」

『ちょなんでまだおんの、風邪移ったらどないするん？』




ラグの上で横になってる彼は何かかけてる訳でもない
スマホが落ちていることから多分寝落ち



角「……関西弁」

『あやべっ』



やっちまったいと口に手をあてるが遅い
眠そうな目を擦りながら体を起こした少年はバッチリと聞いてしまっていたようだ



角「Aってこっちの人だったんだ
てっきり引っ越してきたんだと思ってた」

『聞かなかったことにして〜
東京に憧れてるとか、そんなんじゃないんだからねっ』

角「それ言ってるようなもんじゃん
けどいいね、突然方言がでるの」



関西弁は聞きあきたけど、だってさ



角「それより体調は？」

『随分楽、ごめんね
いつの間にか寝ちゃってて』

角「ううん、病気だし気にしてないよ
そんなことよりさ、それ、今日は隠さなくていいの？」

『え…？』



はて、と彼が指す指の方へと視線を向ける

温もりが残るおふとぅんから離れてそう時間は経っていない



『あ…』



昨日ずぶ濡れで帰って来てからすぐ様シャワーを浴びてタンスの中の1番手前にあったタンクトップを着てからそう言えば何も羽織ってない


角名くんが来るとも思ってなかったし



顕になっているのは、自傷の跡
なんなら最新のものまで、溢れた血が固まった状態で君臨なされている




『……ごめん、見苦しいよね、ほんと…ごめん。』



この気まずさは、なんとも言えない。

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