2 ページ2
「おはようさん…ってなんやその顔は！？」
「あー…ちょっとね」
「うわあ…もしかして、今日も？」
朝っぱらから練習だとご機嫌気味にやって来た宮兄弟、双子
予めジャージを着てきたお陰で、荷物を置くだけだからか少しばかり登校が遅めの2人を待ち構えていたのは
揃いの稲荷崎と書かれた臙脂色のジャージを羽織る角名倫太郎
体育館の壁際に、真っ黒い隈を携えて寄りかかって座っていた
角「今日も。
ほんっと最近多くて、勘弁して欲しい…」
侑「え、なになに？なんなん？」
治「あんなツム、こいつ一人暮らしやん
なんや最近夜中に隣の家のヤツが大音量で音楽流して眠れんらしいわ」
侑「うっわなんそれ、迷惑なやっちゃなー！」
ほんとそれ、と既に侑の声すらガンガン響いて聞こえるほどに寝不足は進行していた
なんならあの音楽も体育館という分厚い壁でありながら聞こえてきそうな勢い
侑「一度文句言った方がええんちゃう？」
角「考えたんだけどさー
近所に挨拶とかしてねぇし、誰が住んでんのかもわかんねーから…」
治「ああ〜…ガラ悪いやつやったら嫌やもんな」
彼らは学生だ、しかも角名に関しては他県から単身でやってきている身
ご近所トラブルなんて避けたいのは当然だし
なにより性格上、面倒くさいが本心だろう
がしかし、この有様である
侑「なら、こんなのどうや？」
ピン、と何かを思いついた侑が指をたてる
侑「お前も騒音鳴らしたらええんとちゃう？
したら相手やって気付くやろ」
治「ええ〜それこそトラブルになりかねん？」
侑「アホやなーサムは
やられたらやり返せっちゅーことわざがあるやん」
角「…いや、それことわざじゃねぇし」
多分侑の言いたいことは目には目を歯には歯をなんだろう
素なのかボケなのかは分からないが
あまりの寝不足で、ついつっこんでしまった自分に後悔する角名
治「まああれやな、情事やなくてよかったと思っとけばええんとちゃう？」
角「ぶっ飛ばすよ？」
人がこんなに悩んでるのに
なんだかんだ双子は双子だ
話にならないと、よいしょ、と角名は立ち上がると上着を脱いだ
こんなもの着てると暖かくて今にも寝てしまいそう
すぐに集合の合図がかかる
朝練と言えどのんびりやっている暇はない
内心で、よし、と気合いを入れると
今日も今日とてハードな一日、バレーボールの練習が始まるのだった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 263人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
弦一郎(プロフ) - 鷹鷹さん» ありがとうございます！頑張ります〜！！ (2021年2月14日 16時) (
レス) id: eb78cccc43 (このIDを非表示/違反報告)
鷹鷹(プロフ) - ﾒｯｯｯｯｯｯｯﾁｬｯ好きです…更新頑張って下さい！ (2021年2月14日 1時) (レス) id: a315003b9c (このIDを非表示/違反報告)
弦一郎(プロフ) - Nagitoさん» ありがとうございます！これからも更新頑張りますヾ(*‘ω‘ )ノ (2021年2月12日 15時) (レス) id: eb78cccc43 (このIDを非表示/違反報告)
Nagito(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです、これからの展開楽しみに待ってます！ (2021年2月12日 9時) (レス) id: 27cb39652f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：弦一郎 | 作成日時：2021年2月6日 16時
