雨のち飴《青》 (ページ6)

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fukazawa side

美味しかったねーと言って目を細める君

結局俺と同じラーメンを頼んでいた

もう帰るかと言いつつ会計を済ませ外に出てみると

深「あ、降ってない」

少し残念に思いながら彼女の横顔を見つめた

「ねえ、見て」

空を指す君。

深「おー、綺麗だな」

そこには大きな虹が掛かっていた。

辺りを見渡せば久しぶりに都内で見る虹をスマホに写しているサラリーマンや主婦の方達

もちろん、目の前に居る彼女もスマホを取り出していた

「あとで皆に見せてあげよ」

嬉しそうに微笑む君。

深「ほら行くよ」

あいつを思い浮かべたのかなと思うと見ていられなくなって、俺は彼女の前を少し早足で進んだ

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mukai side

朝からダルそうな彼女。

「おはよ、向井くん」

俺はこの挨拶が毎朝の楽しみなんよ。

すると、俺の後ろを気にする君

あー、もう来たんやなって感じ

ゲームで言う、ボスの登場やな

「おはよ」

と翔太くんに挨拶し、翔太くんもおはよと挨拶をする。なんや違和感やなと感じた俺は名探偵やと思ったわ

あとな、阿部ちゃんとAさんはめちゃくちゃ仲良いんよ、見てて分かる

毎朝お話しとってええなと横目で見守ってる俺。

翔太くんも実は二人の会話盗み聞きしてるんよ

だってさ、全然手動いてへんもん

スマホ見るふりして、テキトーにスクロールしてるだけやん

翔太くんは可愛いなあほんと

向「翔太くん、Aさんとなんかあったんですか？」

小声で攻めてみたら、少し驚く翔太くん

渡「え、なんで？」

向「いやだって、、ねえ？」

とチラッとAさんを見てまた彼の目を見た

向「明らかに昨日とムードちゃいますやん」

すると

渡「お前が知る必要ねえわ」

そう言ってはぁとため息をつき、またスマホに移った翔太くん

まあ、なんかあるんやなと思いえー、今度教えてくださいねー？と顔を覗くとうるせえと返されてしまった

そんなこんなで今日も一日がスタートする。

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昼時。

向「ふっかさん一緒に飯行きましょうよ」

深「あー、ごめん、今日は他の奴と行ってきて」

向「なんでですかー！ううう...ふっかさあん」

深「昨日も一緒だったじゃん」

向「俺はふっかさんしか居ませんよ！」

深「他部署だけど目黒居んじゃん」

珍しい。ふっかさんってだいたい誘いは断らんのに、なんでやろ。

深「まあとにかく、今日は他の奴と行ってきて」

背中を押されながら、出口へ誘導。怪しいな