雨のち飴《青》 (ページ25)

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your side

「ふっか、置いてっちゃうよ。もう照とラウちゃん車から出ちゃったよ。」

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数十分前、爆睡中のふっかを見てひかるが

岩「あ、ごめ、俺、ちょっと行きたいとこが今の時間だけ、セール中だから行ってきてもいい？」

と言って、ラウちゃんを連れて行っちゃったの。

岩「ふっか起きたら連絡してね。」

って捨て台詞を置いて。

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んー、中々起きないなぁ。一体何時に寝たんだろう。

全然起きないから、せっかくだし、運転席に移動してみた。

深「ん、ふふ、A」

「え、なになに夢？」

目は閉じてるのに、寝息たてながら喋ってるから多分寝言(笑)

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「もー、いつまで寝てんのよバカ」

頬をムニっとつまんでやった。

深「いで、いてーよ、ばぁか、ふふ」

「なんの夢見てんのー？」

「ふっか～、ふっかふっか」

「ねぇ、起きてよ」

体をぺちぺちと叩いても起きない。

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深「ん、」

あ、やっと起きた

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深「んえ、もう着いた？」

「とっっっくに！！バカ！遅い！」

深「あれ、アイツらは？」

「先行ったよ、もう」

結局ふっかが起きたのは、照たちが行ってから、１時間弱経った頃。

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深「ん、お前、俺が起きるまでずっと待っててくれたの？」

私の方に体を向けて、顔色を伺うように見つめた。

まだ眠たいのか、とろんとした目で、せっかくした髪のセットも、少し崩れてしまっていた。

「だって、だってさ、置いてっちゃったら、ふっか拗ねちゃうじゃん。」

そう行ったら、なぜかふっかは嬉しそうで。

「何度も置いてこうとしたよ？置いてこうとしたけど」

深「けど？」

「ふっかのこと考えたら置いてけないよ、」

全部事実なんだけど、なぜだか小っ恥ずかしくて、

ふっかの顔を見ることは出来なかった。

深「んは、かぁいい。」

と言った彼は、私の頭を優しく撫でて微笑んだ。

こういうところが、モテる原因なんだね。

女の子は皆、この独特な雰囲気の優しさに落ちるんだ。

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頭を撫でた手を、耳に移動させて

深「このピアス。可愛いじゃん。似合ってるよ」

なんて、愛おしそうに言うもんだから

「、ばっ、ばかふっか。耳はやだって言ってるじゃん、」

と、照れる以外の選択肢は無かった。