雨のち飴《青》 (ページ23)

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your side

揺れる車内で考えてしまうのはやっぱり翔太のことで。

妙に緩く流れる音楽が崩れた私を哀れ目で見ているようだった。

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ラ「Aちゃんは、ふっかさんと岩本くんと同じ会社なんだよね？」

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きゅるきゅるな目で私を見下ろす彼を、
１７歳と認識出来る人はほとんどいないんじゃないかなってくらい大人っぽいのにどこか年下らしい顔をするの。

「そうそう。一緒の会社で働いてるよ」

ラ「へー、二人とはいつ知り合ったの？」

「うーん、確か、ふっかは社内で知り合って、照は高校だったかな」

ラ「えー、いいなぁ岩本くん。Aちゃんの制服姿見たかったなぁ」

岩「こいつの制服姿は中々だったぞ」

「ちょっとひかる、どういうことよ」

岩「似合ってたっつうこと。」

ラ「ひゃー！なにそれ...マジかっこいいっすね....岩本くん.....」

「えぇ、照そんなこと言うタイプだったっけ」

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あれ･･･ふっか･･･？

すっごい静かだけど生きてるよね･･･？

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raul side

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俺の横に座ってる女性は、時折悲しそうに遠くを見つめる。

この空間にいる俺と彼女以外の二人は、彼女のことを少しでも想っているのかなと考えたり。

まぁ、ふっかさんはめちゃめちゃ分かりやすいからプレゼント貰う前くらいに察したけどね。

だからたまに、意地悪したくなっちゃうんだ。

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ふうっと彼女の耳に息を吹きかけたり、

繋いだ手を恋人繋ぎにしてみたり、

耳が弱いらしいから耳元で小さく話しかけてみたり。

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その度

「ひぁ、」

とか

「っ、ちょっと、」

とか

「ばか、ラウちゃんきらい」

とか。

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嫌いと言いながら、繋いだ手を離さない所が

少し可愛かったりする。

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俺にとって彼女は９歳も年上で、

学校の子たちの甲高い声よりも落ち着く声で

大人の女って感じで、

なのに

どこか子どもっぽくて、

放っておけなくて、

可愛らしい。

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この二人が惚れる理由、ちょっぴりだけど分かっちゃう気がした。