雨のち飴《青》 (ページ1)

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abe side

「今日も一日、がんばったなあ～～～！」

ごくごくとキンキンに冷えたビールを体内に流し込む

ぷはぁっと一息

阿「今日もまた、お疲れのご様子ですねー」

「だあってさ～～、阿部ちゃん聞いてよ～～、」

阿「はいはい、飲みすぎないようにね」

「もうさ、なんで私ばっかりこんな悩んでんのって感じ、」

阿「・・・翔太も馬鹿だよね」

「ほんとだよね、、もうそろメンタル無くなっちゃいそうだよー、」

俺に愚痴り中の彼女。片思い中。

今日はやけに落ち込んでるみたい

夜飯一緒に行くのドタられたらしいよ。

阿「きっとまだ翔太はAの良さに気付けてないんだよ」

と言えばケロッとそうだよねー分かるわなんて言いながらグイッと酒を飲み干した。

「阿部ちゃんは心の友だねーー、ありがとう、ふふ」

なんてヘラっと俺に笑いかける君。

あいつなんて、やめて俺にすればいいのにね。

そっと胸の奥に隠して

阿「Aのメンタルケア係で有名ですから」

「へへへ、私のメンタルさん」

阿「メンタル＂ケア＂ね」

どっちでもいいのーと言って机に伏せる君。

阿「眠い？」

「んー、ちょっとだけ」

数秒後には聞こえる寝息。ガヤガヤと騒がしい店内でも俺の耳はガッツリ彼女の寝息をキャッチ。

阿「あーあ、寝ちゃった」

さらさらな長い髪を優しく耳にかけ、静かに頭を撫でた

阿「そろそろ俺もキツいんだけどな、」

聞こえないように、周りの雑音に掻き消されるように、呟いた。

．

purrrrrr......

机の上に置いてあったAの携帯が鳴った

阿「・・・・翔太」

「んん、」

静かに手を伸ばし、そっとマナーモードにして何事も無かったかのように大人しくなるスマホ。

阿「許してね、A」

また、彼女の髪をそっと触り頭を撫でた