第三十九話 ページ41
熱い湯に浸かりやっと一息つく。
それにしても大変な一日だった。太宰さんも私に良く似た人を知っているのだろう、何か云っていたが深い意味はないだろうと記憶に留めなかった。
「探偵社に入る話だったけど、太宰さんは依頼を受けたって云ってたなあ。…でも如何してマフィアと探偵社の人が知り合いなんだろう…」
其の瞬間、どくんと心臓の鼓動が高鳴った。
此の感覚、此の台詞、何処かで同じような事を云った覚えが…
心拍数が上昇しているのが分かる。突然感じた既視感を思い出そうと頭をフル回転させるが一向に思い出せない。
「何これ、気持ち悪い」
これはただ上せただけだろうと落ち着きを取り戻す事にした。
湯船から出て浴室の扉を開ける。太宰さんが用意してくれたタオルで身体を拭くとあることに気付く。
服 が 無 い
下着は近くの店で購入しておいたが、そうだ、寝巻きを忘れていた。
取り敢えず下着だけは身に纏い居間で寛いでいる太宰さんに声を掛ける。太宰さんは気の無い返事をして細い腕を伸ばし、寝巻きを渡してくれた。
「え、これ太宰さんの…？」
「早く着ないと覗いちゃうよ〜？」
「……ッ！直ぐに着替えます！」
弾かれたように返事をする私を揶揄うように笑う太宰さん。
なんだか太宰さんと居る時は掌の上で転がされてる気分になるので少し居心地が悪い。然し此方は泊めてもらっている身。我儘は云えないので黙って着替えた。
居間に戻ると太宰さんは既に酒を呑みながら缶詰を開けて摘んでいた。邪魔にならないように部屋の隅に布団を敷いていると「もう寝るのかい？」と一升瓶を片手に太宰さんは問う。
「え、えっと…あ、明日は早いので……」
「もう少しマトモな嘘ついてくれる？」
「うぐ…」
「折角美女が隣に居るんだ。手酌してくれるかい？」
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椛 - 時間があれば読み返しています！！とても魅力的な作品を読ませていただきました！！ (2022年3月23日 22時) (
レス) id: 9bee9bd17c (このIDを非表示/違反報告)
はるなか(プロフ) - 梨桜さん» ありがとうございます！格好良さを全面に出したかったので良かったです〜！新作も宜しくお願いします！ (2022年1月22日 13時) (レス) id: 379cc49933 (このIDを非表示/違反報告)
はるなか(プロフ) - 引きこもりちゃんさん» 更新の度コメントくださってありがとうございました！また機会があったら読み返してあげてください(〃'▽'〃) (2022年1月22日 13時) (レス) id: 379cc49933 (このIDを非表示/違反報告)
梨桜 - 完結おめでとうございます！最後までクッソ格好よかったですね…新作も楽しみにしています！！ (2022年1月22日 10時) (レス) @page50 id: 76e4dc31cc (このIDを非表示/違反報告)
引きこもりちゃん - 完結おめでとうございます!この話凄い好きです。お疲れ様でした。 (2022年1月22日 0時) (レス) @page50 id: 81a3cc2368 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はるなか | 作成日時：2021年11月26日 22時
