4. ページ5
.
「…ゃさん、中也さん」
中也「あ?」
「もう、髪洗ってる途中で寝るなんて、どれだけ疲れてるんです?」
俺の頬を両手で掴んで、じっと見つめている此奴。
…その近さに、思わず息を呑む。
中也「…ああ、悪い」
「お風呂に浸かってほしいところですけど、このままだと寝ちゃいそうですね」
中也「…そうだな」
「もう出ましょうか、髪の毛も乾かさなきゃだし」
優しく微笑んで、彼はシャワーを止める。
…そんなに疲れているつもりでも無かったが、体の方は疲労しているらしい。
「中也さん、そこ座ってください」
中也「何すんだ?」
「幹部さまが風邪なんてひいたら、面目立たないでしょう?」
ふふ、と笑いながら隣に座り、俺の髪を乾かし始める其奴。
中也「…なあ、」
「あ、何か言いました?」
中也「いや、何も無い」
ドライヤーの音のせいか、向こうに声は聞こえないらしい。
中也「…A、手前は変な奴だな」
聞こえないのをいいことに、そっと呟く。
此奴に絆されつつある自分が、奇妙で仕方ない。
…酔っちまったか?
「…中也さん?」
俺を見つめる其の目。
…透き通った、綺麗な色。
ぼんやりと此奴の顔を見つめながら、俺は吸い込まれるように、
「…っ、?!」
…其奴の唇に、そっと自分の唇を重ねた。
.
141人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
桐宮 - 素晴らしい作品でした。もう涙腺が…。 (2017年3月5日 21時) (レス) id: a7d473c89c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:春海。・:+° | 作成日時:2017年1月5日 13時