＊ ページ10
JEONGHAN side
綺麗だと思った。
楽屋のドアを開け振り返ったあいつを見て。
マーメイドドレスというらしいそれを身に纏い、
窓から入ってきた光に照らされているあいつは、
綺麗で、儚くて、
消えてしまいそうだった。
少しだけ怖くなりながら、
なぜか目を合わせようとしない奴に近づく。
「A・・・？」
近づいても頑に俺を見ない奴に、
少しいらつきながらその顔を覗き込む。
その途端、ペチッと小さく音を立てて、
目を塞がれた。
何が起きたのか分からず、固まれば、
慌てた奴の声と共に、目の前が明るくなった。
「ご、ごめん！
痛くなかった・・・？」
心配そうに俺の顔を見上げそう言う彼女の耳が、
顔が、真っ赤に染まっていて、
思わず口角が上がる。
「何、照れてんの？」
「うるさい」
いたずらに言った俺に、
少しふて腐れて憎まれ口をたたく姿を、
可愛いなぁと思う。
クスクスと笑いが止まらない俺に、
怒るかなぁと思っていたのに、
奴はむすっとしたまま、小さく呟いた。
「ハニが、かっこいいから・・・」
その言葉に、今度は俺が顔を赤くする番だった。
その言葉が演技じゃないと言う事は、
まだ目が合わない事と、
更に赤くなった耳で分かる。
顔が赤いとバレて奴にからかわれるのはなんだか癪で、
どうにか心を落ち着かせて、
奴の手を取り、もう一度顔を覗き込んで言う。
「Aは凄い綺麗だよ」
笑った俺に、効果音が着きそうなくらい、
勢い良く顔を真っ赤にした奴はもう！と怒って、
スタジオへ行ってしまった。
その後ろ姿を見ながら、
あまりに予想通りの展開に堪えきれずに笑う俺を、
ニヤニヤ笑ってカメラマンが押さえている。
「あーぁ、可愛いなぁ」
敢えて口にして、ねぇ？とカメラに問いかければ、
スタッフ全員ニヤニヤと笑みを浮かべたのが見えた。
番組としてもこれで最高の取れ高は出来ただろうと、
自分の素直な感情が出てしまった事を正当化して、
さぁ、後を追うかと入り口へ迎おうとしたら、
先に行ったはずのあいつがひょいと顔を出して。
「行かないの？」
なんて、まだ少し赤い顔で伺うように言う。
その姿が可愛くて、俺はまた笑いながら、
行くよ、と少し小走りで入り口に向かった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1000人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SEVENTEEN」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
やふこ(プロフ) - わあ！返信ありがとーございます！そうですよね。何かしらのはらはらがあるから面白くなるんですもんね。でも、幸せ路線と聞いて、読み進める決心ができました😁前の書き込みがネタバレになるので、不都合がありましたらすぐに消しますので遠慮なく言ってください！！ (2023年1月17日 6時) (
レス) @page50 id: 76622097b3 (このIDを非表示/違反報告)
Rui*(プロフ) - やふこさん» 初めまして。コメントありがとうございます！一応ここからは幸せ路線で書いて行ってるんですがちょこちょこ何か起こさないと話が書けないので起こるとは思います…できるだけ幸せ路線で続かせるつもりで頑張ります！こんな返事ですいません。ありがとうございます！ (2023年1月15日 0時) (レス) id: c0ca8cff26 (このIDを非表示/違反報告)
やふこ(プロフ) - 初めまして。ずっと楽しみに読んでいます。まだ２人が気持ちに気付いたところ、じゅんぴが諦めると決意した辺りなんですが、もう２人は辛くならないですか？オンニも応援してくれて、めろめろにするのよ！って言ってくれてますが、続きが怖くて手が進みません😅 (2023年1月14日 23時) (レス) @page46 id: 76622097b3 (このIDを非表示/違反報告)
Rui*(プロフ) - ももさん» コメントと2人の幸せを願うメッセージありがとうございます笑笑これからも頑張って更新しますのでよろしくお願いします！ (2020年11月7日 22時) (レス) id: e197707fad (このIDを非表示/違反報告)
Rui*(プロフ) - rikoさん» 感想ありがとうございます！！漢！なジュンくんが見せられるかわかりませんが、更新頑張ります！よろしくお願いします。 (2020年11月7日 22時) (レス) id: e197707fad (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Rui* | 作成日時：2020年9月30日 18時
