彼女の本音 ページ15
これは本当に悪魔なんだろうか。
あまりに優しいその姿に、
懐かしい姿が重なって、
また涙がこぼれた。
「怖い？」
そう聞いてきた優しいままの悪魔に思わず口が動く。
『お兄ちゃん…』
重なった視線はそらせない。
何か言おうとした悪魔を遮るように言葉を紡ぐ。
どうか今は寝惚けていると思って聞いて欲しい。
『もうしんどい。辛い。辞めたいけど辞められへん。
お兄ちゃんが頑張れって言うてたから頑張ってるけど、
もうそれもそろそろ限界や。
いつになったら会えるん？
いつになったらお兄ちゃんのとこ行けるん？
1人は嫌や。助けて欲しい。
助けてって何回も言うたのに。
お兄ちゃん、助けてや』
泣きながらそう言った。
ずっと心に秘めてた本音。
デビューが一度無くなったあの日から、
1人でずっと頑張ってきた。
誰かに甘えちゃいけない。
弱音を吐いてもいけない。
今までの甘えたな自分を全部閉じ込めて、
ただひたすら前だけ見て走ってきた。
だけど元々甘えたな人間がそんな急に変われるわけなくて。
唯一の支えも無くなった私は助けを求める自分を、
無視し続けてどうにかここまで来た。
そんな本音をぶちまけた。
日本語だからきっと悪魔は分かってない。
でも雰囲気で察したのか、
悪魔はそっと私の背中に手を回した。
トントンと背中を叩く一定のリズムが心地いい。
暫く悪魔に甘えて大人しく背中を叩かれていれば、
また意識が遠のいて。
「寝な」
優しい悪魔の声に、そっと意識を手放した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1000人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
やふこ(プロフ) - わあ！返信ありがとーございます！そうですよね。何かしらのはらはらがあるから面白くなるんですもんね。でも、幸せ路線と聞いて、読み進める決心ができました😁前の書き込みがネタバレになるので、不都合がありましたらすぐに消しますので遠慮なく言ってください！！ (2023年1月17日 6時) (
レス) @page50 id: 76622097b3 (このIDを非表示/違反報告)
Rui*(プロフ) - やふこさん» 初めまして。コメントありがとうございます！一応ここからは幸せ路線で書いて行ってるんですがちょこちょこ何か起こさないと話が書けないので起こるとは思います…できるだけ幸せ路線で続かせるつもりで頑張ります！こんな返事ですいません。ありがとうございます！ (2023年1月15日 0時) (レス) id: c0ca8cff26 (このIDを非表示/違反報告)
やふこ(プロフ) - 初めまして。ずっと楽しみに読んでいます。まだ２人が気持ちに気付いたところ、じゅんぴが諦めると決意した辺りなんですが、もう２人は辛くならないですか？オンニも応援してくれて、めろめろにするのよ！って言ってくれてますが、続きが怖くて手が進みません😅 (2023年1月14日 23時) (レス) @page46 id: 76622097b3 (このIDを非表示/違反報告)
Rui*(プロフ) - ももさん» コメントと2人の幸せを願うメッセージありがとうございます笑笑これからも頑張って更新しますのでよろしくお願いします！ (2020年11月7日 22時) (レス) id: e197707fad (このIDを非表示/違反報告)
Rui*(プロフ) - rikoさん» 感想ありがとうございます！！漢！なジュンくんが見せられるかわかりませんが、更新頑張ります！よろしくお願いします。 (2020年11月7日 22時) (レス) id: e197707fad (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Rui* | 作成日時：2020年9月30日 18時
