＊ ページ24
JEONGHAN side
「あ、待って待って」
「はーやーくー」
ぱたぱたとキッチンから走って来た悪魔に、
微笑みかけながら急かす俺。
端から見れば甘いやり取りも、
本音に変えれば(動けよ)(うるさい早くしろ)なんて、
まぁ甘さのかけらもないやり取りだ。
そのやり取りを少し楽しいと思う自分がいる。
ウギョルが始まった頃はイラついてばかりだったし、
ついさっきまでも適当にあの日の感謝を伝えてきた悪魔に、
イラついていたのに、
一体どこで何を間違えたのか。
こいつが気になるなんて、
気が狂ったのかと自分が心配になる。
ま、きっと理由はあのくそ男の事件に、
巻き込まれたからなんだけど。
そりゃ目の前であんな事が起きたら、
誰だってしばらくは気になるものだ。
・・・いや、今はそれどうでもいいか。
まるで自分に言い訳でもしているような考えに、
慌てて意識を収録に戻す。
用意が終わったのか、
向かい合う形で席に着いた悪魔と目が合う。
「お待たせしました・・・？」
こてんと首をかしげてはにかむ悪魔に、
訳も分からず、目をそらす。
目の前に並んだ日本料理は悪魔の得意料理らしい。
ミッションが手料理を作るなんて内容じゃなければ、
知る事もなかった悪魔の料理の腕は、
見た目だけはなかなかのものだ。
「じゃぁ、いただきます」
そう言って、まずは目の前に置かれた"肉じゃが"に箸を伸ばす。
口の中に入れた途端、
なんだか懐かしい感じに、
胸が締め付けられた。
「・・・どう？」
困った顔で聞いて来た悪魔に、
素直においしいと返せば、
悪魔は安心したように、心底嬉しそうに笑う。
見慣れない悪魔のその笑顔に、
胸の中がまたざわついた。
悪魔の笑顔で胸がざわつく程に、
自分が悪魔を嫌っているのかと少しだけ心配になる。
そんなに嫌ってはいないはずなのに、と考えて、
慌ててその考えを消す。
この流れは危ないと本能的に察したみたいだ。
まぁ、こんな奴を恋愛的に好きになる事なんて、
100%、いや120%ないのだけど、
念には念を入れた方が良い。
それでも悪魔の料理だけは認めてやろうと、
もぐもぐ口を動かしながらも、
嬉しさが隠せていない悪魔を見て思った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1050人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SEVENTEEN」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Rui*(プロフ) - ゆゆさん» 大好きありがとうございます！私も早く甘々書きたいので頑張ります！！！ (2020年9月16日 20時) (
レス) id: e197707fad (このIDを非表示/違反報告)
Rui*(プロフ) - Miyuさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！！ソラブー良いですよねぇ…これからも絡ませて行きたいと思います笑頑張ります！ (2020年9月16日 20時) (レス) id: e197707fad (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - 本当にお話大好きで、早く甘々になるのが楽しみです(*^^*)作者様のペースで更新頑張ってください、応援してます♪ (2020年9月16日 16時) (レス) id: 13fb36f954 (このIDを非表示/違反報告)
Miyu(プロフ) - このお話大好きです！特にソラブーが大好きなので、たくさん絡ませてくれる作者さん大好きです！更新大変でしょうが頑張ってください！ (2020年9月15日 23時) (レス) id: 1c9dc44574 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Rui* | 作成日時：2020年9月13日 18時
