私たち結婚しました [JH]２

＊ ページ2

STAFF side



”ハニに近づくなビッチ"

"ハニにあんたは必要ない"

大勢の人の中から飛んで来た声に、

Aは何でもないような顔をしていたけど、

本当は傷ついているはずだ。

特に最後の"枕女優は消えろ"なんて、

人一倍努力している彼女にとって、

どれだけの侮辱になったことか。

それでもずっと笑顔で居る彼女は、

誰よりも強くあろうとする。

ほとんどの人が知らない彼女の過去が、

ここまで彼女を変えてしまったんだと、

悔しくなる。

ころころと表情の変わる、

泣き虫で甘えん坊な彼女は、

あの時一度死んでしまった。

もう二度とそんな事を繰り返さないように、

私やCielが彼女を守る。

そう決めたのに。

彼女は誰にも助けを求めなくなった。

誰にも同じ態度で、笑顔で。

ずーっと完璧な彼女で居続ける。

だからこそ今の彼の存在は大きい。

あの子が感情を素直に表現出来る場所がある事は、

何よりの救いだから。

彼には申し訳ないけど、

もうしばらくあの子の相手になってもらおう。

前を行くAの背中を見つめそんな事を考えた。

歯車は回る→←放送開始

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す