響く雨音 ページ25
ジュン雨、大丈夫?
ちゃんと帰れた?
帰り道の途中、
確認したメッセージの中にあった心配の言葉。
心配したいのはどちらかと言えば私の方だ。
彼にとって雨は嫌な記憶ではないのだろうか。
店に置いていた傘の中、
響く雨音は酷く耳障りだ。
「私は一生消せそうにないな…」
逃げて逃げて行き場を失った感情が、
こんな雨の日はひょこっと顔を出す。
浮かぶのはもう何度も消そうとした懐かしい笑顔。
私に向けられる事のないあったかい目。
あぁ、気持ち悪い。
逃げた事で平気になったはずの感情は、
それでもやはり完全には消えない。
ジュンは何であんな平気そうなんだろう。
今日の感じ、ジュンが言ってた大切な人の好きな人って、
あの綺麗な顔のジョンハンさんなんじゃなかろうか。
確かに根っこはあったかそうな人だった。
信じた相手にはとことん優しそうな。
そりゃあんな人と好きな人が被ったらどうしようもない。
しかも自分に相手の目は向かない、
って分かってたなら尚更だ。
それでも少しくらいは、
妬んだり恨んでしまったりしないものなんだろうか…
捉え所のないジュンが何を考えてるのか、
どういう経緯があったのか分からないけど、
素直に祝福できるジュンはすごいなと思った。
私は祝福は出来ても、
その感情はだいぶ複雑なものだった。
少なからず混じった嫉妬心は今も消えない。
それを雨の日には思い出す。
ぐちゃぐちゃになった靴の不快感みたいに、
心に染みを広げて、私は今日も逃げた事を後悔する。
なんだか無性に優しげなジュンの笑顔を見たくなって、
でもそんなことできるわけなくて。
深く吐いたため息は雨に流された。
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１−−−−２ - ジョンハンの物語とジュンくんの物語どちらも面白くて気に入りました。ジョンハンくん編の更新待ってます！ (4月9日 3時) (
レス) id: 1a858c6117 (このIDを非表示/違反報告)
まるの(プロフ) - こんにちは！コメント失礼します！もとのお話から読ませていただきました！とても素敵なお話で、読む手が止まりませんでした…ジュンくんに幸せになってもらいたいです...！良ければ更新していただけるとうれしいです！！！ (1月27日 12時) (レス) @page25 id: 0f64c498bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Rui* | 作成日時：2021年9月15日 0時
