＊ ページ12
久々に来た遊園地はそんなに変わっていなくて。
思った通り平日なこともあってか人はほぼいない。
「やっぱり空いてるね」
空いているだろうとは思っていたけど、
あまりに予想通りすぎて苦笑いが浮かぶ。
「いいじゃん、その方がゆっくり出来る」
楽しそうな悪魔は笑顔で辺りを見回している。
悪魔が笑顔ならまぁいいか。
そうだねと笑い返して全力で遊ぶことにした。
「あれ！あれ乗ろう！」
「何これどういう乗り物？」
「ただ寒いだけって何の意味が・・・？」
常に笑いながら、悪魔は楽しそうに園内をあちこち行ったり来たり。
私もそれについて回りながら、
昔の自分を思い出す。
特にただ寒いだけの施設には同じ感想を抱いていた。
今でも何の意味があるのか分からない。
散々遊び倒して、ご飯も食べて、
あっという間に過ぎた時間。
最後に乗った観覧車の中でぼんやり外を眺めていたら、
同じように外を眺めていた悪魔が口を開いた。
「楽しかった」
その声に顔をあげれば、こっちを見て悪魔が笑っていて、
夕陽に照らされたその顔があまりに綺麗で息を呑んだ。
「良かった」
なんとか笑い返すけど、
心臓はありえないほどにうるさい。
「Aは何でこんな日本に詳しいの？」
悪魔の言葉に一瞬顔が引き攣った。
いつもならスッと出てくる回答が出てこない。
「・・・ハニの為に調べただけ」
不自然な間を埋めるために、
あえてらしくない答えを返した。
顔を背けてそれらしい風に取り繕えば、
悪魔は照れてそっかなんて顔を背けた。
バレていないだろうか。
さっきまでの胸の高鳴りは完全に焦りに変わり、
背中を嫌な汗が伝う。
微妙な空気の中ガチャリと観覧車のドアが開き、
案内のお兄さんがどうぞと声をかけてきた。
それにほっとして観覧車を降りる。
一緒に乗っていたスタッフがニヤニヤしているのを見る限り、
絵的には上手い事収まったんだろう。
バレなくて良かったという安堵で気が抜けて、
つまずいた。
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やふこ(プロフ) - ああ！今回は弟たちのやり取りも見れて、そうだったの？ってなりながらも、ハニくんが甘くて手が止まらなかったです！！すぐ続き、行ってきます！！← (2023年1月18日 9時) (
レス) @page50 id: 76622097b3 (このIDを非表示/違反報告)
Rui*(プロフ) - koro39さん» ありがとうございます！頑張ります！！ (2022年3月12日 6時) (レス) id: c0ca8cff26 (このIDを非表示/違反報告)
koro39(プロフ) - 完走ぜひ！！一気読みするほどハマりましたー！ (2022年2月22日 23時) (レス) @page48 id: 3d70232f0d (このIDを非表示/違反報告)
Rui*(プロフ) - 於音###さん» ありがとうございます、心底嬉しいです！完走までもう少し、頑張ります (2021年9月15日 1時) (レス) id: e197707fad (このIDを非表示/違反報告)
Rui*(プロフ) - 千笑さん» ありがとうございます！！そうです！バーノンくんを励ましてました！！ (2021年9月14日 23時) (レス) id: e197707fad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Rui* | 作成日時：2020年11月15日 19時
