私たち結婚しました [JH]4

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「何でも無いって」

そう言って、

笑いながらのびてきた悪魔の手が私の頭をぽんぽんと叩く。

・・・ん？

私の頭を？

え？

はぁ？

何が起きたのか分からなくて固まる私と、

自分でやっておいて慌てて立ち上がる悪魔。

「あー、これは・・・

その、あれだ」

なにがどれなんだ。

急にしどろもどろになって頭をかく悪魔に、

私も気まずくなって立ち上がる。

「何・・・」

「あれだよ、犬を可愛がるみたいな」

「・・・犬？」

よりによって犬。

ちょっとだけ期待した気持ちを返して欲しい。

「いや、その「私あんたの下僕になる気はないからね」

下僕って・・・」

何かに焦る悪魔にため息まじりの嫌みを返す。

あぁ、また可愛くない。

「犬ってそう言う事でしょ？」

こぼれた言葉は撤回出来なくて。

拗ねた心がいらない言葉を繋ぐ。

悪魔の顔は見れない。

「本当、そういうとこg」

言いかけたいらない言葉を遮るように、

練習室のドアが開いて。

それに助かったなんて思ってしまった。

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