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『お待たせしました』
「今日はサンドイッチか」
持ってきたのは2人分の珈琲とサンドイッチ。
『はい!実はサンドイッチ作るのだけはうまいんです。このソースはマスターのお墨付きですからね。それにこのスモークサーモン、凄く美味しいんです。』
ふふっと、まるで自分の宝物を自慢するように、あまりにも楽しそうに話すから黙って聞いると、彼女は喋りすぎてしまったと思ったのか慌てて質問を投げかけてきた。
『えーっと、今日もお仕事なんですよね。どんなお仕事されてるんですか。』
二種類のサンドイッチの、どちらを先に食べるか迷っている手を一度引っ込めて答えた。
「あ〜……法医解剖医だ。死体を調べる」
オススメのスモークサーモンのサンドイッチを選び、頬張ってもぐもぐと咀嚼する。
『したい、、、かそうけん?』
「科捜研とは少し違うが、やってることはまあ同じだな。不自然死の原因究明を探す」
『不自然死……』
途端に店内がシン…っと静まり返り、しまった…と思い慌てて話題を変える。
やはりあまり自分のことを話すべきではなかったと後悔したが、どこか知って欲しいという気持ちもあったことも事実だった。
「朝からこんな話して悪い。……ところで今日は何珈琲なんだ。」
『いえ、とても重要なお仕事をされているんですね。
えっと、今日の珈琲にはリンゴを……』
それから会話と沈黙を繰り返して、時には沈黙を珈琲を飲むことでやり過ごし、時間はあっという間に過ぎっていき、2人はそれぞれの仕事に戻った。
しかし、お互いの名前は知らないまま。
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みく(プロフ) - 星野将希さん» はじめまして。コメント及びご指摘ありがとうございます。気を付けてはいたのですが変換ミスしていました……。なるべく誤字がないよう努めてまいりますので、宜しければこれからもよろしくお願い致します。 (2018年2月23日 20時) (レス) id: d43cb19d57 (このIDを非表示/違反報告)
星野将希(プロフ) - はじめまして。いつも楽しく読ませていただいてます。突然ですが、水澄の「み」は「水」ではなく「三」だと思うのですが…。作者様のあえてなら失礼いたしました。更新頑張ってください。 (2018年2月23日 19時) (携帯から) (レス) id: 2e2dbe8a41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みく | 作成日時:2018年2月21日 4時