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扉が閉まるまで彼を見送り、ふぅっと息を吐いた。

頬の熱さが引かないまま、彼の言葉が頭の中をぐるぐると駆け巡る。


“……別に美味しくなかったわけじゃない”

“……また明日も来る。”


彼の選ぶ言葉や表情に、これまでのような人を寄せ付けないような敵意は感じられず、むしろ優しささえ感じるようだった。

それがあまりにも意外で、くすぐったくて、嬉しくもあった。





気持ちを切り替えて仕込みや準備をしていると、パートの人がやってきたが、それからは目まぐるしく過ぎて行き、あっという間に1日が終わった。

心配して駆け付けた常連の方もたくさんいらして、美味しい美味しいと私の淹れた珈琲を褒めてくれる。

だけど、マスターの珈琲には全然近づくことが出来なくて、それらの褒め言葉はお世辞だと分かっていたし、Aを鼓舞するものだと受け止めていた。

ある常連さんの1人が「真似しなくていいんだよ。みんな君の珈琲を飲みたいんだ。君らしい優しい珈琲を。」と言う言葉をかけてくれた。

私の珈琲。



そんなことを考えつつボーッとしていると、バイトの子達も掃除を済ませ「お疲れ様でーす」と帰っていく。

浮き足立っていたバイトの子達も、いざお客様がいらっしゃれば、キビキビと動き良く働いてくれたのだ。

Aも明日の準備を終えて、珈琲を淹れる練習を始める。

そう言えば明日も玄白さん来るんだよね……。てことは今日も泊まりでお仕事なんだろうか。

そうだ……!

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みく(プロフ) - 星野将希さん» はじめまして。コメント及びご指摘ありがとうございます。気を付けてはいたのですが変換ミスしていました……。なるべく誤字がないよう努めてまいりますので、宜しければこれからもよろしくお願い致します。 (2018年2月23日 20時) (レス) id: d43cb19d57 (このIDを非表示/違反報告)
星野将希(プロフ) - はじめまして。いつも楽しく読ませていただいてます。突然ですが、水澄の「み」は「水」ではなく「三」だと思うのですが…。作者様のあえてなら失礼いたしました。更新頑張ってください。 (2018年2月23日 19時) (携帯から) (レス) id: 2e2dbe8a41 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みく | 作成日時:2018年2月21日 4時

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