79. 敵わない ページ39
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直感。
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とても綺麗な人。
どこかでお見かけしたことのあるような...
長くて艶やかな髪を巻いて横に流して、綺麗な着物に身を包んで
背も高くて、美人。
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翔「ゆり...」
ゆり「やっぱり翔だ！」
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たぶん、この方が櫻井先輩の好きな人...
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『あの、私、飲み物買ってきますね！』
翔「え、A...！」
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嘘ばっかり。敵わないし。
多分、あそこにいたら私の身がもたないし、
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いちゃいけない気がした。
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気づいたら慣れないゲタを履いて走り出していて、
息をするのもなんだか苦しくて、
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よっわいなぁ...
弱いなぁ私。
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涙がでてきた。
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パシッと、右腕を誰かに掴まれたのは確か。
反動でぽろりと涙が落ちた。
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「泣いてんの？」
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そう言って私を引き止めた相手は、紺色の甚平を着て不思議そうにこちらをみる和だった。
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慌てて掴まれていない反対の手で、溢れた涙を拭う。
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『...泣いてなんかないしっ...』
和「どうみても泣いてんじゃん」
『...もうっ、見てわかること言わなくてもいいしっ...ｸﾞｽｯ...』
和「...強がんな、ばか」
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掴まれた腕はぐっと引っ張られて、そのまま和に手を引かれるがまま、
屋台を抜けてどんどん人混みを避けていく。
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『いった...っ』
和「...あー... それは痛い」
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走ったせいなのかなんなのか、下駄の紐がほどけて千切れかけていて
靴擦れのように、指が擦れて赤く血が出てた。
いつの間にこんな... 心の痛みの方が強くて気づかなかった
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んって、突然私の前にしゃがんだ和が 「はやく」って急かす。
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『...なに、おんぶ？』
和「その足じゃ歩くの無理でしょ」
『いいよ... 恥ずかしいし、』
和「お前の恥ずかしさとかどうでもいいの。強がらなくていいって言ったでしょ」
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なにそれ...
その言い方、優しいのか、優しくないのかなんなのか。
分かんないし
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でも、
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ほらって、体勢を変えない和の優しさに 今は甘えてみることにした。
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80. 君の優しさに触れる ↓2021.6.15 更新→←78. 気づいていたはず
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メル(プロフ) - naoさん» 大変遅くなりました。ストーリー更新いたしましたのでぜひ読んでいただけると喜びます！ (2021年6月8日 22時) (
レス) id: 51d22dd195 (このIDを非表示/違反報告)
メル(プロフ) - 猫耳さん» 大変遅くなり申し訳ありませんでした。更新いたしましたのでもしまだ登録していただいていたら読んでいただけると喜びます！ (2021年6月8日 22時) (レス) id: 51d22dd195 (このIDを非表示/違反報告)
nao(プロフ) - 翔くんと主人公ちゃんが一緒に花火大会行けて距離がもっと近づくといいなぁ。 (2019年1月31日 4時) (レス) id: 3ab06130a8 (このIDを非表示/違反報告)
猫耳 - とーっても、おもしろいです（＾ｕ＾） 次回の更新待っています (2017年10月1日 19時) (レス) id: 43003607d6 (このIDを非表示/違反報告)
メル(プロフ) - ★ニノ担★さん» コメントありがとうございます！花火大会のお話ぼちぼち書いているところですので、今しばらくお待ちください！季節が少しずれてしまって申し訳ありませんが(;_;)お話を読んでくださって嬉しいです！亀更新かもしれませんが今後も楽しみにしていただけると喜びます！ (2017年9月13日 20時) (レス) id: 2125d9806d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：メル | 作成日時：2016年5月8日 15時
