深紅タイは深紅エビを吊る

13 NearMs. ページ14

　
　
　
　
　
　
　
　
　





「前も言ったけどさ？顔に書いてんだって」


『え？』


「"誕生日くらい誰かと一緒に過ごされたら嬉しいな"って所？」


『……えっ、あー、まぁ？』





少し濁しながら呟くとまたまた鼻で笑ったジスは食堂の椅子に深くもたれかかると軽く私を馬鹿にしたように見下ろしながら私へと言った






「俺は別に良いよ？付き合ってあげよっか？」


『……ん？……え、ちょっと待って？何でそんな上から目線な訳？』


「双子鯛、なんて素晴らしいあだ名をつけられた俺が桜エビみたいなやつにプライベート時間を割くんだよ？そりゃあ上から目線にもなると思わない？」


『もう私は生きてもいないのか？カラッカラに干されたエビになってしまったのか？』


「名前は可愛いじゃん、感謝しなよ」


『生態は小エビよりも最悪だけどね』






そう言うと楽しそうに笑ったジスに少しだけ感謝をした。




毎年毎年独りぼっちで過ごしていた誕生日はどうやら今年は独りじゃないみたいだ。まぁ、そのお相手様は私を馬鹿にしているような奴だけれど気心が知れた一人だ。楽しくは過ごせるだろう。






あと6日ほどで迎える私の誕生日当日はどんな日になっているんだろうか？もしかしてご飯を奢ってくれたり？





少しだけワクワクしているのは、きっと今年は一人じゃ無いからだろう。誕生日当日もジスは私を小馬鹿にするような事をぶちかましてくるんだろうな、





そう考えただけで少し楽しみが増えて嬉しくなった私は緩んだ頬を元に戻す事が出来なくなってしまった。








　
　
　
　
　
『ねぇ、やっぱジスの奢り？どこ連れてってくれんの？』


「え、俺にたかるの？」


『だって祝われるのは私でしょ？祝うのはジスなんだからそりゃあ金は払ってくれるんだよね？』


「いや、わざわざ俺は自分の時間を割いてるんだよ？お金を払うのはそっちなんじゃ無いの？」


『………誕生日って、一体何だったっけ、？』
　
　
　
　
　
　
　

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