深紅タイは深紅エビを吊る

11 NearMs. ページ12

　
　
　
　
　
　
　
　
"あ、スカート似合うじゃん。やっぱそっちの方が良いよ"


"本当に！？じゃあ明日からスカートにしちゃおうかなぁ？"


"小エビって料理出来んの？女の子の手料理って好感度アップするよねぇ〜"


"作れるよ！明日お弁当作ってきてあげる！"


"さり気ない気配りできる子って素敵だよね？コーヒー淹れてきてくれたりとかさ？"


"確かにそういう子ってモテてる気がする！私も身につけなきゃね！コーヒー淹れてくる！"


"相手の為を思って行動してくれる優しさって惹かれるよね〜、例えば資料2枚ほど打ち込んでくれたり？"


"優しさは大切だねっ！資料ちょうだい！私がやっておくから！"








「俺思ってたんだけどさぁ、」


「ん？」


「………ジス、楽しんでない？」


「まぁ、ここまで来るとどこまで出来るのかもはや楽しみだよね」


『何が？何の話？』


「ううん、何もないよ」





そう言って優しい目をしながら笑ったジスと深い溜め息を吐いたジョンハンとエビはそれ以上口を開く事なく黙々とご飯を食べ進めてしまった。





『……え？何？何なの、その二人の溜め息』


「いやぁ〜、お前もジスに言われた事を全部言う通りにして頑張ってんだなぁ〜！と思ってさ！」


『まぁね！わざわざジスがアドバイスしてくれてんだよ？やっぱり貴重な意見は取り入れなきゃね！』


「……おぉ！うんっ！俺は良いと思うよ！頑張る女の子は素敵だと思うっ！うんっ！な、お前もそう思うだろ？」


「………私に話振んないでよ」




ジョンハンがエビに意見を求めると少し面倒くさそうにしたエビはふいっ、とジョンハンからの視線から逃げるとまた口を閉じて黙々とご飯を食べていく。






そんな二人とは裏腹に私に視線を送るジスは前よりも明らかに私に向けている目線が違う。何でこんなに目が優しいんだろうか？何というかずっと微笑みながら私を見つめている。





…………コイツ、私に堕ちたんじゃないの？





まぁまぁまぁ、ジスの気持ちも少しは分かる。何てったって今の私は男から好感度が上がる行動しかしていないし？きっと百戦錬磨のジスですら私に可愛さ、というのを感じているのかもしれない。





どうする？ジスが私に首ったけだったら。………少し位振り回してやるか？







そんな考えが頭によぎった。
　
　
　
　
　

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