プロローグ ページ1
私には目の前にいるこの二人の男がモテるのが心底理解出来ない。きっとそれは私の隣に座り冷たい視線を浴びせている同僚もそう思っているだろう。
「昨日、最悪だったんだよね。ガバガバだよ?ガバガバ。初めてだよ、あんな女。お前どんだけ抜き差しされてんだよって話だよ」
「締める練習させればいいじゃん」
「いや、もう会わないからいいんだけどさ。よくあんなユルユルで声かけたな、って思ったわ。お前自分の中を確認してから声かけろよ、って言ったんだよね」
「酷いね、本人に言っちゃうんだ?」
同僚と言えど、よく女の前でこんな話出来るよね。私と隣に座っている同僚はその話を聞き流しながら黙々とご飯を食べ進めていく。
「酷いぃ?どの口が言ってんの?ジスも振ったんでしょ?」
「昨日?んー、そうだね」
「何で告白断ったの?とりあえず付き合ってみれば良かったじゃん」
「顔面が小エビレベルだよ?女じゃ無いじゃん」
『………あ?』
「あ、ごめん。つい、」
『………………』
つい、で人の事貶してんじゃねぇよ。
うっかりすると出てしまいそうな舌打ちを飲み込みそのままご飯を食べていると隣にいた同僚はジスに向かって声をかけた。
「ていうかさ、ずっと思ってたんだけどね?」
「ん?」
「ジョンハンはもうどうにもなんないよ?もう勇者になるしか無いと思うしさ?」
「あ、俺勇者なの?かっこいー」
「でもジスはさ、そんなに顔面を重視してないじゃん?」
『……え?あんた話聞いてた?顔面が下位ランクだから振ったって言ってたよ?』
「でも小エビレベルに出会う事はそうそう無いんだよね?」
「無いね。見つけたら珍種発見した気分だもん」
『………………』
ほう、私はジスとジョンハンからすれば珍種なのか。それは何ともめでたい存在になったもんだ。
「性格を重視して女性を見てみたら?意外と長続きするかもよ?」
「…………性格ねぇ〜、」
そう言ってチラッと私を見たジスと目が合った。
『なに?』
「ふふっ、ううん」
そう笑顔で首を横に振るジスの笑顔を見て私は思ってしまった。
こんな奴と長続きする女なんて世界中探してもどこにもいないんじゃ無いか?と。
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ノルン(プロフ) - りりちゃんさん» コメントありがとうございます🙇♀️泣いて笑ってくれたのは嬉しいです👍ジョンハンサイドも考えております🥰めちゃくちゃフラグ立てました!笑 (4月6日 17時) (レス) id: 907990f381 (このIDを非表示/違反報告)
りりちゃん(プロフ) - すごい面白かったです泣いて笑いました!!!エビサイドの話も読みましたが、ジョンハンサイドのお話はあるのでしょうか、、、? (4月6日 14時) (レス) @page35 id: 0c4dd5db53 (このIDを非表示/違反報告)
ノルン(プロフ) - いーさん» 何気なく読んでたら私の作品!🙄それまた凄い🙄これからも気が付いたらコイツだな…みたいな作品書けるように頑張ります🥰これからもよろしくお願いしますね💋 (4月3日 22時) (レス) id: 907990f381 (このIDを非表示/違反報告)
いー - いつも楽しく読ませてもらってます😄何気なく気になって読んでいたらいつもノルンさんの小説です😆これからも楽しみにしています☺頑張ってください🎵🎵 (4月3日 21時) (レス) id: 1572353726 (このIDを非表示/違反報告)
ノルン(プロフ) - まるのさん» わぁー!まるのさん!こんにちは🥰元々書こうとは思ってましたが、読者の方に頭隠しての時から書く事がバレていた作品です😂思ったよりも嬉しい方多いんですね!一応あっちの時はサブ枠やったのに…笑 ぜひ楽しんで読んで下さい💋 (3月19日 12時) (レス) id: 907990f381 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ノルン | 作成日時:2024年3月17日 22時