ダリアのWhite Day 2🎁 ページ10
お邪魔します、なんて形だけの挨拶をしてスニョンの家へと足を踏み入れると、もう私が来る事に慣れてしまったのか返事なんて返ってこなかった。
「どうする？泊まってくの？お前は休みだろうけど、俺は明日出勤だよ？」
『じゃあスニョンが家を出るタイミングで私も家を出るよ』
「そ？分かった」
泊まってくの？だってさ。スニョンは私を帰そうとしてたのかな？
ホワイトデーという日だから今日はきっと素敵な日になるだろう、なんて思い込んでいる私はずっとドキドキしたままスニョンと一緒に過ごしていたんだ。
だけどスニョンはいつも通りお風呂へと入ってしまい、いつも通り録画していたドラマを見て、いつも通りの日々を過ごしている。少しだけ、ん？なんて思った時にスニョンから声がかかった
「……A、風呂入ってきたら？」
『え？何で？』
「な、何で？」
『だって、いつもそんな事言ってこないじゃん』
「いや、ほら、……いいから」
『…………………』
あ、どうしよう、分かってしまったかも。
もしかしてスニョンはサプライズしようとしているんじゃ？いつもは風呂入って来いなんて言わないもんね？
スニョンからすれば私がお風呂に入っている間に何か用意しようとしているのかも知れない。………もう、隠すの下手くそなんだから、
『んー、分かった！……じゃあ、入ってくるね？』
「……ん、俺は先に部屋にいるからね？」
『……うん、分かった』
少しだけニヤける口元を隠しながらお風呂へと向かいシャワーを浴びると少しだけ胸が高鳴ってくる。
スニョンはどんな物を用意してくれているんだろう？
弾む胸を抑えながらお風呂から上がって寝巻きを着て寝室の扉を開くと柔らかい雰囲気を演出させる小さなランプが部屋を包み込んでいてスニョンはこちらに顔を向けると少しだけ微笑んだ。
『……お待たせ、』
「んーん、」
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作者名：ノルン
| 作成日時：2024年3月14日 6時
