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ミセス戯言のWhite Day 3🎁 ページ7

 
 
 
 
 
 
 
 
あぁ、話が逸れてしまった。僕は今日彼女にコレを渡す為に持ってきたんだよ。




隣に置いていた袋を彼女の目の前に差し出すとキョトンとして大きな目をパチパチさせたまま動かない。





『……なぁに?これ』


「バレンタインデーのお返しだよ」


『……えっ!?私にっ!?』




逆に誰にだと思っていたんだろう?まず、ホワイトデーは返す日なんだよ?





目をまん丸にして驚いている彼女の顔が可愛くて思わず笑ったままコクコクと頷くとAさんはキラキラした顔をしたまま袋を手に取った





『うそっ、!ありがとうっ!スングァン!!……開けてもいい?』


「もちろん」


『えぇ、な、何かしら、』




少しドキドキしたような表情の彼女を見ていると何だか僕もドキドキしてしまった。




Aさんは喜んでくれるのだろうか?きっと何でも手に入ってしまう彼女には少し安すぎたかも知れない。





毎日ギリギリの生活をしている僕には女性が喜ぶようなブランド物なんて買えなかった。それに妹達から貰ったチョコレートのお返しもしなきゃ行けなかったしね。






少しガッカリさせるかも知れない。






袋から取り出した小さな箱はブランド物なんかじゃないから無地のシンプルな箱だ。その箱をパカッと開けたAさんは箱の中身を見るとピシャリ、と固まってしまった。





『スングァン、こ、これは………』


「………………」


『………ダイヤモンド?』


「そんな訳ないでしょ」




何を言っているんだ、このお嬢様は。僕がダイヤなんて買えると思っているのだろうか?




『……だ、だって、このネックレス、すごいダイヤにそっくりよ……?』


「……似ている物なんてそこら辺にたくさんあるよ、……こんな事言うのもカッコ悪いけどそれはダイヤじゃなくてダイヤに似た石で作られたネックレスだよ」


『という事は、偽物って事ねっ!?』


「………………」


『す、凄いわね!最近の偽物って!見た目だけじゃ偽物なんて気付かないわっ!こんなにも綺麗だなんて……』


「……もう僕は凄く恥ずかしい気分だよ」


『えぇ?どうして?』





そんなに偽物偽物だと言われると僕からすれば何だかダイヤだと騙そうとして渡しているみたいじゃ無いか。口を閉じて頂きたい。
 
 
 
 

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作者名:ノルン | 作成日時:2024年3月14日 6時

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