お姫様達のWhite Day (ページ6)

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ミセス戯言のWhite Day 2🎁 ページ6

　
　
　
　
　
　
　
「それよりも少し気になったのが、どうしてこんな料理にしたの？」

『えっ？ホワイトデーと言えば、チキンにチーズフォンデュでしょう？本当はラクレットをしたかったけれど、無理そうだったからチーズフォンデュにしたのっ！』

「そっか」

チーズフォンデュにローストチキンにホールケーキでしょ？ホワイトデーに用意する物じゃ無いと思うよ？そう思ったのは僕だけでは無いはずだ。

「……今ここに用意されてるのはクリスマスにピッタリな料理達だね？」

『あら？そうかしら？私の家ではホワイトデーにもこんなお料理が出ていたわよ？』

「………そっか、」

あぁ、もう突っ込むだけ無駄だな。何も言わないでおこう。

またもや常識が外れた発言をした彼女に微笑みながらサラダに手をつけようとすると彼女は僕の手を止めた。

『私がやるわよっ！スングァンは美味しく頂いてちょうだいっ？』

「ありがとう、じゃあそうさせて貰おうかな？」

僕に喜んで貰おうと張り切ってサラダを取り分ける彼女に対して実は世話焼きな性格なんだな、と気付いたのはいつからだっただろうか？

最初の頃はあんなにも掃除や料理をするのが苦手なはずだったのに完璧に出来るようになってから自信がついたのか、僕がここに来る頃には完璧に終わらせていてもはやハウスキーパーを雇っている金額が勿体なく感じてしまっている。

まぁ、Aさんの喜んで貰いたい気持ちは充分伝わっているんだけどね？僕の掃除する時間を二人の時間に使いたい、なんて言っちゃうような人だし。

本当に好きだよなぁ、僕の事。

「ねぇ、Aさん？先月は僕にバレンタインの用意をしてくれたでしょ？」

『ええ、そうねっ！スングァンは驚いて固まっていたわね？』

そりゃあ誰だって固まるだろう。準備はされているかも？なんて思ってはいたよ？

だけど僕の目に映ったのは、ガトーショコラやトリュフ。パウンドケーキにチョコレート尽くしのパフェ。

何も出来なかったAさんがこんなにもたくさん美味しそうに作っていた事にも驚いたけれどいっぱいあってげんなりしてしまった。見るだけで胸焼けしそうだったしね。

………もう当分チョコレートは食べたくなくなったっけなぁ？
　
　
　
　
　