お姫様達のWhite Day (ページ48)

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お母様のWhite Day 4🎁 ページ48

　
　
　
　
　
　
　
『ねぇ、ミンギュ？』

「何？」

『普通、ホワイトデーのお返しって相手が喜ぶ物を用意するんじゃないの？』

「え？嬉しくないの？」

誰が喜ぶんだよ、こんな物。

『……私はこれよりもお菓子の詰め合わせやお花とかの方が嬉しかったなぁ』

「何言ってるの？ヌナは俺がいなくちゃ何にも出来ないんだから少しくらい何か出来るようにならなきゃいけないでしょ？」

『………………』

「今のヌナに必要なのはお菓子の詰め合わせや花じゃない。生活力だよ」

そう言って私の肩を掴んで力説するその姿は恋人なんかでは無い。もうお母さんだ。家の事が全く出来ない娘を心配してアンタそれでいいの？なんて説得する全国どこにでもいるお母さんの姿にしか見えない。

「いい？ヌナ。俺達が結婚したら嫌でもヌナは何かしらの家の事をやらなきゃいけないんだよ？」

『………………』

「アレは嫌！コレは嫌！で子供なんて育てられないんだからね？」

『………私達が結婚して子供が産まれるのは決定事項な訳？』

「えぇ！？違うの！？」

そう言って驚いたミンギュは口を開けたまま私を凝視している。ミンギュと結婚、かぁ。

まぁいいお父さんにはなるかもね。家の事も完璧に出来てご飯も美味しくて健康のことなんかも気遣ってくれるんだから。

『……結婚は、まぁ、考えておくよ、』

「えぇ！？何でっ！？」

ミンギュと結婚してミンギュに似た子が産まれてきたら私の気苦労が見えてしまうからね。私にはそんな気苦労を背負う覚悟は出来ていないよ。

そんな事を言うときっと目の前のお母様は私に向かって何か吠えてくるだろう。

そう予想した私はお母様の選んだプレゼントはやっぱりお母さんみたいなプレゼントだったな、なんて思いながら明日からこの本のページを捲ってみるか、なんて少しだけ思ってしまった。

　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
お母様のWhite Day Fin

　
　
　
　
　
　
　
『思ったんだけどさ、私は必要最低限の家事だけ出来れば良くない？』

「え？何で？」

『もし、私達が結婚したら私がいっぱい仕事すれば良いだけの話だしさ？』

「……そうやって言って逃げようとしてない？」

『してないよ。私だってミンギュと結婚したいしミンギュのご飯を食べたいからこう言ってるんだよ？』

「………騙されない、騙されるな、俺」
　
　
　
　
　