お母様のWhite Day 2🎁 ページ46
定時で仕事を終えた私はそのまま帰宅してウキウキのまま玄関のドアノブを捻り扉を開けた。
あぁ、何のプレゼントなんだろうか?やっぱりベタにアクセサリー?それとも定番は花とかお菓子かなぁ?
そんな事を考えながらウキウキしたままヒールを脱ごうとしていると真っ先にやってきたホワイトデーのプレゼントはドスドスと聞こえた奴の足音だった。
あ、やばい。
瞬時に察した私はヒールを掴み玄関へと放り投げるとリビングの扉まで急いで歩いていった。
きっと奴は今日も私にキレている。間違いなくキレている。今日はなんだ?いつも忘れる食器は水につけたはずだ、………いや、そんな事を考えてる時間は無い。
「ちょっと!!!ヌ」
『ただいまっ!!ミンギュッ!!!!』
そう言って勢い良く彼の首元に巻き付いてチュ、と軽く唇を合わせるとピタリと固まってしまったミンギュの首に私はもう一度巻き付いた。
『今日はね、仕事で嫌な事があったの!だから、早くミンギュの顔が見たくて帰ってきちゃったっ!!』
「……………」
…………フッ、やっぱりチョロいなお前は。
私がこう言えばお母様は私に罵声を浴びせる事をしないはずだ。そして優しいお母様は私に優しく声をかけて来るはずだ。お前の言う言葉は全て頭に入ってるんだよ。
(……そうなの?大変だったね、ヌナ?嫌な事は忘れてご飯いっぱい食べよう?元気出して)
「……そうなの?大変だったね、ヌナ?嫌な事は忘れてご飯いっぱい食べよう?元気出して」
フッ、単細胞が。少しは言葉を変えやがれ。
『うんっ!』
「……なんて言うとでも思ったの?」
『え』
「ねぇ、気付いてる?ヌナがそうやって嫌な事あったのーっ!て言う時が大体どんな時か」
『……………』
「ヌナが何かやらかして俺がブチ切れてる時だよ。そうやって言えば許されるかも、なんて思ってるんだろうけどさ?もう少し言葉変えた方がいいよ?」
そう言って私を体から離してはぁ〜と溜め息を吐きながらリビングへと消えていくミンギュに唖然としてしまった。
……単細胞は私だったと言うのか?くそっ!!
そんな悔しい気持ちを持ちながらミンギュの背中を追いかけようとリビングのドアノブに手をかけようとした瞬間扉がバンッと開かれ顔を出したミンギュは私に罵声を浴びせた。
「手を洗えっ!!」
『……はい』
お母様のWhite Day 3🎁→←お母様のWhite Day 1🎁
578人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ノルン | 作成日時:2024年3月14日 6時