シーク君のWhite Day 3🎁 ページ36
与え続けてくれるあなたから欲しい物なんてもう何も無かったのに、
『……また与えて貰っちゃったなぁ、』
「ん？」
『ハンソル君といて、私は今こんなにも幸せで与えられるだけじゃなくて私も与えていきたいのに、まさかお弁当が返ってくるなんて、』
「……………」
『もちろん嬉しいよ？嬉しいけど、いつも貰ってばかりじゃ悪いからお返しはいらない、なんて言ったのに』
私がそう言うと休憩スペースを見渡し始めたハンソル君。そもそもあまり人が来ないココで確認する必要はあるのだろうか？
人がいない事を確認すると私の手をギュッと握ったハンソル君に目を開いてしまった
「……ねぇ、覚えてる？返すなら行動で、って言った事。」
『え、あぁ、……うん』
「……今が返し時じゃない？」
『……えっ、こっ、ここでっ？』
「ここで。だってお弁当嬉しかったんだよね？」
うん、嬉しかった。少しでも返したい、と思ってくれたその気持ちが。私に気を遣わせないように考えられたそのお返しが。
………慣れない中頑張ってくれたこのお弁当が。
彼から手を離して首筋に手を伸ばしゆっくりと唇を合わせるとくっついた瞬間に覆い被さるようキスを落とすハンソル君の首に腕を回してしまった。
ゆっくりと離れていくハンソル君は私と目が合うと少し嬉しそうに笑った後私のオデコにコツン、とオデコを当てて少しスリスリしている。キスをした後に必ずオデコを合わせるのは彼の癖なのかもしれない。
そんな彼に気持ちが込み上げる中オデコをスリスリと動かすと至近距離で目が合ってお互い少し笑ってしまった。
「……明日からお弁当貰って人がいなかったら俺が返していくね？」
『……こんな所で？大胆だなぁ、』
シーク君のWhite Day Fin
『……ずっと近いとドキドキしちゃうね、』
「あぁ、ごめん。離れようか」
『あ、待って？』
「ん？」
『………もう一回、その、気持ちを行動で返してもいい？』
「………こんな所で？大胆だなぁ、」
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作者名：ノルン
| 作成日時：2024年3月14日 6時
